研究課題/領域番号 |
21H02231
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
永野 博彦 新潟大学, 自然科学系, 助教 (40758918)
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研究分担者 |
小嵐 淳 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 原子力基礎工学研究センター, 研究主席 (30421697)
平舘 俊太郎 九州大学, 農学研究院, 教授 (60354099)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2021年度: 11,570千円 (直接経費: 8,900千円、間接経費: 2,670千円)
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キーワード | 土壌炭素動態 / 水分変動 / プライミング効果 / 火山灰土壌 / 気候変動 / 土壌有機物分解 / 降水パターン / 気象激甚化 |
研究開始時の研究の概要 |
地球温暖化は、降水パターンをも変化させ、多量の炭素を貯留する森林土壌の水分変動を大きく増大させる可能性がある。その結果、土壌に隔離されている難分解性有機物の分解を促進するプライミング効果が発現し、土壌のCO2放出が爆発的に増大する可能性がある。一方、プライミング効果により微生物代謝が変化するなどして、CO2放出が減少する可能性もある。本研究では、参画する各研究者が得意とする研究手法を組み合わせつつ、水分変動増大環境を模した培養実験を複数の森林土壌に対し実施する。水分変動増大に伴う土壌CO2放出の変化量評価やプライミング効果のメカニズム解明を通じ、森林土壌における炭素動態予測の改善に貢献する。
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研究成果の概要 |
国内の森林・草地で採取した10土壌を水分変動増大を模した乾湿サイクル条件で培養し、CO2放出増大現象の解明に挑んだ。いずれの土壌でも、乾湿サイクル区におけるCO2放出速度は水分変動の無い対照区の放出速度よりも大きかった。但し、高温環境では、乾湿サイクル条件に伴うCO2放出増大が鈍化し、Q10が低下する傾向があった。CO2放出増大率の土壌間での違いを予測する土壌理化学性として、土壌中の金属-有機物複合体量が示唆された。水分変動増大による微生物バイオマスの減少も示唆された。これらの土壌理化学性が、土壌有機物分解のQ10低下、そこから示唆されるプライミング効果の発現などと関わっている可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで土壌炭素濃度を高める働きがあるとして注目されてきた金属-有機物複合体について、水分変動増大環境に対する脆弱性を示唆できた点において、本研究成果は独自性が高く、森林土壌の炭素動態予測高度化に対しても大きな意義を有している。また、乾湿サイクル条件における有機物分解の温度感受性(Q10)の低下も興味深い。本研究成果により、炭素動態予測モデルやこうしたモデルに基づいた地球環境変化の将来予測に潜む不確実性の低減につながることが期待される。
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