研究課題/領域番号 |
21H02255
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40020:木質科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
稲垣 哲也 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (70612878)
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研究分担者 |
土川 覚 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (30227417)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
12,350千円 (直接経費: 9,500千円、間接経費: 2,850千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | THz-結晶学 / 分光法 / THz時間領域分光法 / 結晶学 / 木質科学 / THz-tds / 木材 / セルロース / 新しい結晶評価手法 / 木質材料 / 結晶構造 / THz crystallography / THz-TDs / 結晶構造解析 |
研究開始時の研究の概要 |
木材中のセルロース結晶領域をTHz時間領域分光法(THz-TDs)によって評価する新たな学問領域『THz cellulose crystallography』の確立を目指す。この研究では木材のTHz透過スペクトルから結晶量・結晶構造・ミクロフィブリル傾角(MFA)を高精度計測するアルゴリズムを提案する。これまでセルロースの結晶性は、回折法あるいは(赤外[IR]やNMRなどの)分光法によって評価されてきたが、これらの手法と比較して本法は1.結晶領域の絶対量を計測できること、2.木材の結晶性情報の空間分布の計測が可能であるという2つの強力な利点を有する。
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研究成果の概要 |
木材やセルロースの試料を対象に、結晶量、結晶構造、ミクロフィブリル傾斜角(MFA)、THzマッピングシステム、熱処理による劣化のモニタリングといった多角的な視点から分析と測定を行い、各項目で顕著な成果を上げた。結晶量の見積もりは、X線回折とIR分光法に加え、密度やセルロース含有量から行っており、得られたデータを用いてLambert-Beer則によりTHzによる結晶量の推定を可能にした。結晶構造に関しては、すでにIα、Iβ、IIに由来する吸収周波数を特定したMFA測定においても推定が可能となってきている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
この研究成果は、木材の物性理解や応用技術の向上に大きく貢献するものである。具体的には、結晶量や結晶構造、ミクロフィブリル傾斜角(MFA)の詳細な分析により、木材の力学特性や耐久性に関する新たな知見を提供する。また、THzマッピングシステムを用いた劣化モニタリングにより、木材の劣化状況を非破壊で評価する技術が確立され、建築や文化財の保存においても応用が期待される。これにより、持続可能な資源利用の推進や、木材を基材とした新材料開発の道が開かれる。さらに、これらの成果は、森林資源の有効活用や環境保護にも寄与し、持続可能な社会の実現に向けた重要な一歩となる。
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