研究課題/領域番号 |
21H02260
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40020:木質科学関連
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研究機関 | 秋田県立大学 |
研究代表者 |
高田 克彦 秋田県立大学, 木材高度加工研究所, 教授 (50264099)
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研究分担者 |
安江 恒 信州大学, 学術研究院農学系, 准教授 (00324236)
雉子谷 佳男 宮崎大学, 農学部, 教授 (10295199)
工藤 佳世 秋田県立大学, 木材高度加工研究所, 助教 (10757983)
船田 良 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (20192734)
半 智史 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (40627709)
内海 泰弘 九州大学, 農学研究院, 准教授 (50346839)
吉永 新 京都大学, 農学研究科, 准教授 (60273489)
佐野 雄三 北海道大学, 農学研究院, 教授 (90226043)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2022年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2021年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
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キーワード | イチョウ / 木材組織構造 / 形成層 / 水分通道 / 植物ホルモン / 植物進化 / 環境適応性 / 形成層活動 / 進化 |
研究開始時の研究の概要 |
イチョウは現存する木本植物の中で最も古い植物種の一つであり、「生きた化石」として木本植物の進化と環境適応を考える上で極めて重要な位置を占めている。本研究ではイチョウの形成層活動と木材組織構造について網羅的に研究することによって、原始的な形質を残すそれらの特異性と形質相互の関連性を明らかにする。さらに、イチョウと他の木本植物の形成層活動と木材組織構造の特徴を総合的に比較・検討した結果にゲノム情報から推定される系統進化の情報を加味することによって、木材科学の観点から木本植物の系統進化と環境適応性に関する新たな知見を提供するとともにこれらの研究領域において新たな研究の方向性を提示する。
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研究成果の概要 |
形成層活動および二次木部形成を調査した結果、春先に師部形成が木部形成よりも優先し他の樹種に比べて形成層細胞の分裂が活発になるまでに長時間を要することが明らかになった。二次木部には分野壁孔以外の有縁壁孔を全く持たない細胞が存在しており、これらの細胞を新たにGinkgo-fiberと名付けた。二次木部における通水様式を調査した結果、通水に関与していない細胞は年輪内に散在し、通水細胞(仮道管)より小径であった。これらの細胞には有縁壁孔が認められなかったことから、Ginkgo-fiberであることが示唆された。また、イチョウでは針葉樹と較べて師部の転流速度が遅いことが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の目的は「生きた化石(living fossil)」と呼ばれるイチョウをはじめとする複数の木本植物の材形成及び木材組織構造の特徴を網羅的に解析することによって、イチョウの有する特殊性を明らかにするとともに、材形成・木材組織構造から見た木本植物の進化と環境適応性を明らかすることである。得られた知見を総合的に検討した結果、原始的木本植物であるイチョウは独特の材形成様式、木材組織構造及び水分通道様式を有する樹種であり、これらの特徴からイチョウは独自の環境適応性を持って進化してきた樹種と考えることが妥当であり、植物全体の進化を考える上でも極めてユニークな存在であると考えられる。
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