研究課題/領域番号 |
21H02279
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40040:水圏生命科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
細谷 将 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (60526466)
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研究分担者 |
矢澤 良輔 東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (70625863)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2021年度: 11,180千円 (直接経費: 8,600千円、間接経費: 2,580千円)
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キーワード | 選抜育種 / 海産魚 / ゲノム比較 / 超保存領域 / ゲノム編集 / 有害変異 / ゲノミックセレクション |
研究開始時の研究の概要 |
選抜育種技術はおよそ100年間、「過度な選抜を行わない」ことをセオリーとしてきた。そのために多数の親個体を抱えながらも、世代毎に少しずつしか選抜を進められなかった。これは、近親交配による有害変異の蓄積を避けるためであるが、産業的には大きなデメリットである。そこで、本研究では「有害変異を多く持つ個体を狙って除去することで過度な選抜を可能にする」新規近交系選抜育種法の開発を目指す。本手法が確立されれば、短期間で収益が得られる育種系統を安定的に作り出せると期待される。
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研究実績の概要 |
マサバとゴマサバの参照配列を構築した。それぞれPacBio HiFiシーケンスを行って第1段階の参照配列を構築し、NanoporeによるロングリードとstLFRによるリンクドリードを用いてscaffoldingとmisassemblyの修正を行った。その結果、それぞれの種で900本程度のscaffoldにまとめることができた。参照配列の連続性を示すScaffold N50は28 Mbで、核型と一致する上位24本のscaffoldでゲノムの80%がカバーされていた。また、マサバについては国内3集団、ゴマサバについては国内2集団からサンプルを得た。一部を用いて低被覆深度シーケンスを行い、性に関するゲノムワイド関連解析を行って、その有効性を確認した。現在は、全個体を用いた低被覆深度シーケンスを実施しており、データが得られ次第、多型情報をまとめる。また、パブリックデータベースから条鰭類の参照配列をダウンロードして超保存領域と種間多型情報の蓄積を進めている。申請当時よりも参照配列を持つ魚種が大幅に増えていたことから、各魚種のゲノム配列の質やゲノムサイズ、遺伝子カバー率(BUSCO)などを中心に、どの種を利用すべきかの基準を再検討も行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度に天然のマサバサンプルが一部得られなかったため進捗が遅れている。現在はサンプルが得られたため、シーケンス解析を実施している。
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今後の研究の推進方策 |
パブリックデータベースから条鰭類の参照配列を得て種間多型を抽出し、遺伝子アノテーション情報から有害変異の推定を試みる。また、マサバとゴマサバの集団データを用いて、天然魚における有害変異の蓄積情報を得る。これらの情報をもとに、有害変異に注目した近交系選抜育種法の構築を試みる。
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