研究課題/領域番号 |
21H02297
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41010:食料農業経済関連
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研究機関 | 農林水産省農林水産政策研究所 |
研究代表者 |
井上 荘太朗 農林水産省農林水産政策研究所, その他部局等, 研究員 (50356325)
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研究分担者 |
森 路未央 大東文化大学, 外国語学部, 准教授 (20787212)
石田 貴士 中京大学, 経済学部, 講師 (30623467)
丸山 優樹 農林水産省農林水産政策研究所, その他部局等, 研究員 (60832665)
加藤 弘祐 日本大学, 生物資源科学部, 助教 (70825322)
伊藤 紀子 拓殖大学, 政経学部, 准教授 (80751809)
樋口 倫生 農林水産省農林水産政策研究所, その他部局等, 研究員 (50392577)
小林 弘明 千葉大学, 大学院園芸学研究院, 教授 (70329019)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
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キーワード | 戦略的通商政策 / 社会ネットワーク分析 / 貿易指数分析 / 農産物貿易 / 食料消費変化 / 貿易ネットワーク分析 / 食料安全保障 / 自由貿易協定 / 食料貿易 / インドネシア / タイ / 米政策への政策介入 / 民政移管 / 有機稲作 / マレーシア / 貿易の社会ネットワーク分析 / 米中対立 / TPP / RCEP |
研究開始時の研究の概要 |
WTO 体制下におけるグローバル化の進展により、各国経済はより深く統合されようになった。これは,各国は「直接的な貿易相手国」だけではなく,貿易相手国のその貿易相手国という,「間接的な貿易相手国」から受ける影響も増加していることを意味している。そして現在では,このWTOの機能が後退する中で,各種の貿易介入や産業助成等を行う戦略的通商政策の重要性が高まっている。 この課題では,社会ネットワーク分析の適用により,この複雑化する貿易構造下での戦略的通商政策(米中間の貿易対立,CPTPP等のFTA締結,日本の食品輸出促進等)の効果を,世界の通商構造の中で総合的に解明する。
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研究実績の概要 |
東南アジアにおける食料貿易の構造変化の背景を分析するため、インドネシア及びマレーシアにおける消費者の食品購入行動に関する情報の分析を進めた。またインドネシアにおける加工食品輸入の調査・分析を進めた。こうした成果発表は2023年以降に発表する予定である。 国別の分析として、東南アジアにおける重要な農産物輸出国であるタイの農業政策について分析した。これまでのタイの農政の長期的動向を整理した他、タイの米政策について分析した。それによるとプラユット政権による保証上限付きの不足払い政策は、透明性、公平性、効率性といった基準に照らせば、一定の整合性と効果が期待される。特に、かつて実施され、大きな混乱を引き起こした担保融資制度(実質上の高額買取制度)に比較して、持続可能性の高い政策と考えられる。ただし民主党による同種の政策(2009年~2011年)は選挙の際の争点となり、結果としてタイ貢献党の大規模な担保融資政策に支持を奪われた。2019年に旧軍政グループと民主党を中心とした連立政権が成立した後も、伝統的な政治勢力と新興の政治勢力との間の対立は続いており、それに加えて若年層を中心とした体制批判デモや集会も続いている。タイの不安定な政治状況は米を中心としたタイの農産物貿易には少なからぬ影響を与えてきており、今後も注目されるところである。 また、現在、東南アジアでも有機農産物の生産消費が拡大してきている。タイの有機農業は、宗教的なリーダーの主導で始まったものであるが、現在では輸出振興が主目的に変化していることなどを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍により、国内及び海外調査が全くできないことから、インターネットを利用した情報収集に偏り、十分な成果を出せていない。また課題参加者が人事異動や退職したため、研究実行体制を強化するが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
課題代表者を中心に、遅れている農産物・食品の貿易構造の分析を進める。
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