研究課題/領域番号 |
21H02321
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41040:農業環境工学および農業情報工学関連
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研究機関 | 秋田県立大学 |
研究代表者 |
山本 聡史 秋田県立大学, 生物資源科学部, 准教授 (20391526)
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研究分担者 |
保田 謙太郎 秋田県立大学, アグリイノベーション教育研究センター, 准教授 (00549032)
間所 洋和 岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 准教授 (10373218)
西村 洋 秋田県立大学, アグリイノベーション教育研究センター, 教授 (70391513)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2021年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
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キーワード | 農業ロボット / 雑草検出 / ローカル5G / エネルギー自給 / 有機農業 / 除草ロボット / 太陽光発電 / 選択除草 / 三次元モデル / マルチスペクトラル / 三次元モデル化 / 太陽光エネルギー / ローカル5G / 機械学習 / 精密農業 |
研究開始時の研究の概要 |
エネルギー自給型の自律走行ロボット群を用いて除草作業を完全無人化する基盤技術を開発する。生育初期の雑草を精度良く見つけるため、夜間にロボットが自律走行しながら人工照明の下で高精細な画像を撮影し、ローカル5Gで基地局に転送して人工知能により検出する。検出した雑草の位置に基づき、自動除草作業コードを生成し、ロボット群に転送して超精密な除草作業を実行する。この軽量・低速のロボット群による完全無人作業体系が確立できれば、安全性確保と省力化を両立し、ゼロエミッションに大きく近づく持続的な農業が可能になる。
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研究実績の概要 |
本研究は、エネルギー自給型の自律走行ロボット群を用いて除草作業を完全無人化することを目的としている。今年度は、エネルギー自給型の自律走行ロボットにより1haほ場で3日間かけて条間0.84m、長さ130m、80列のダイズの播種作業を実施し、安定した自律走行性能を確認した。一方、150Wのソーラーパネルが唯一のエネルギー供給源であり、走行に定格出力50Wのモータ2台で計100Wを消費するため、重量約6.5kgの手押しの播種機(向井工業・HS-300LH)を動作させるのは問題ないものの、ある程度成長した雑草に対し、物理的な除草に必要なエネルギーの確保が難しいことを改めて確認した。そこで、市販の電動ラジコン草刈機(ササキコーポレーション社製・RS400-M2)を改良し、エネルギー自給型の自律走行ロボットと同じ航法技術を用いて、1haダイズほ場で自動草刈作業を実施した。ラジコン草刈機の機体幅845mmを踏まえて広めに播種した条間を速度0.3m/sで走行させた結果、2台のRTK-GNSSを用いたムービングベース方式の測位と方位検出が良好であれば発芽直後のダイズを損傷なく走行できたが、測位状況が良くないと蛇行して欠株が生じ、横幅が大きく生長したダイズの葉を巻き込む現象が散見された。さらに、雑草の生育が旺盛な6月は除草適期が非常にシビアであり、市販の草刈機を改造したロボットを用いても、生育初期の除草適期を逃すと雑草の生長を止められず、最終的に収穫が全く見込めない事態となることが判明した。草刈ロボットの台数を増やすことがもっとも効果的な対応策であるが、できるだけ少ない台数で広い面積をカバーするためには、ほ場全体のどの部分で雑草が発生しているかという情報を正確に把握する必要があると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初、完全無人のエネルギー自給型自律走行ロボット群による高精度な除草作業を行うため、最初に、自律走行ロボット群によりほ場内を隈なく走行し、ほ場における生育初期の雑草の検出と位置を正確に求め、次に、雑草の位置に基づき、作業計画を作成し、ロボットによる選択除草を実施するように、検出と除去作業を分けて交互に行うことにより、除草作業の高精度化を実現することを構想していた。 これまで、エネルギー自給型の自律走行ロボットの自律走行性能が安定していることを確認できたが、雑草が伸びてしまった場合に除草に必要な動力源の確保が難しいことが判明した。エネルギー供給の問題を一旦棚上げし、市販の電動ラジコン草刈機をベースに確実に除草が行えるロボットを試作して1haダイズほ場で自動除草作業を行ったが、雑草の生育に作業が追い付かず、収穫ゼロという結果に終わった。生育が進んだ雑草を除去するには大きな動力が必要であり、エネルギー自給型の自律走行ロボットへの実装が難しいこと、大きな雑草でも確実に除去可能なロボットを使用しても、大面積のほ場に投入され、面積当たりの作業頻度が低くなると深刻な収量低下を招くことが明らかとなった。これを踏まえ、生育初期の雑草を確実に発見し、対応する重要性を確認したところである。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度では、生育初期の雑草の検出技術の完成度を高めることに注力する。これまで、ドローン搭載型LiDARセンサとバックパック型LiDARセンサによりほ場の詳細な三次元情報を取得し、カラーカメラの画像データを照合することにより、色情報を有するポイントクラウドを構築した。この三次元情報を用いてほ場の地面と植物を分離し、これまで開発したダイズと雑草を識別する深層学習による画像処理技術を適用することにより、高精度な雑草検出手法を確立する見込みが得られた。このドローン搭載型LiDARセンサによりほ場の色付き三次元情報を取得し、ある程度大きくなった雑草は検出できるようになったものの、生育初期の雑草の検出は解像度が不足して依然として困難である。これまでのエネルギー自給型自律走行ロボットの研究により、雑草の生育が旺盛な6月ではわずかな雑草発見の遅延が大きな収量減の原因となることがわかったので、マルチスペクトラルドローンとLiDAR搭載ドローンの併用など、できるだけ効率的に大規模ほ場を隈なくスキャン可能な手法の確立を目指す。
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