研究課題/領域番号 |
21H02347
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42010:動物生産科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
辰巳 隆一 九州大学, 農学研究院, 教授 (40250493)
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研究分担者 |
中島 崇 九州大学, 農学研究院, 助教 (20380553)
鈴木 貴弘 九州大学, 農学研究院, 准教授 (80750877)
前原 一満 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教 (90726431)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2021年度: 8,320千円 (直接経費: 6,400千円、間接経費: 1,920千円)
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キーワード | 骨格筋 / 筋幹細胞 / 活性化因子HGF / ニトロ化 / 加齢性筋萎縮・再生不全 / 健康かがく / 健康寿命 / 健康科学 / 筋線維型 |
研究開始時の研究の概要 |
代表者はこれまでに、骨格筋の肥大・再生・維持を妨げる「筋幹細胞の活性化阻害機構」として活性化因子 HGFのニトロ化 (不活化) を見出した。一方、加齢に伴い筋細胞が萎縮する他、線維化や脂肪化も散見される。 本研究では、これらの加齢性変化が上記の「HGFのニトロ化」に起因すると着想し、これを新規ツール(ニトロ化HGFに対する抗体)を用いて検証する。また、加齢性筋萎縮・再生不全の積極的な治療法・予防法の創出を目指して、脱ニトロ化酵素遺伝子の同定に挑戦すると共に、この遺伝子の発現誘導およびニトロ化を抑制する機能性食品成分を検索する。以って愛玩動物(およびヒト)の健康寿命の延伸に寄与することを目指す。
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研究成果の概要 |
加齢に伴い筋細胞(筋線維)が萎縮する他、線維化や脂肪化も散見される。本研究では、これらの加齢性変化が「筋幹細胞の活性化因子HGF(肝細胞増殖因子)のニトロ化・不活化」に起因すると着想し、これを抗ニトロ化HGF特異的モノクロ抗体を用いて検証した。雌性ラット後肢下腿部筋切片を蛍光免疫染色したところ、i)加齢に伴い、細胞外マトリックスに結合・保持されているHGFのニトロ化が進行すること、ii)速筋型(IIa, IIx)筋線維で顕著であることを見出した。これらの結果は、速筋型筋線維の加齢変化が著しいというこれまでの知見とも合致した。超高齢社会における「健康寿命」の延伸に寄与する成果と期待された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
筋幹細胞が物理刺激を受容すると、HGFがECMから遊離し受容体c-metに結合することが活性化カスケードの重要な要素である。HGFがニトロ化しc-metに結合できなくなることは衛星細胞が活性化し増殖できないことを意味しており、その影響が加齢性筋萎縮や再生不全、筋幹細胞数の減少として徐々に進行・蓄積すると考えられる「細胞老化説」などに加えて新奇主要因と理解される一方、HGFのニトロ化・不活化だけで多くの加齢変化を明確に説明できることに本研究成果のインパクトがある。ニトロ化抑制活性を有する生体内分子や機能性食品成分を見出すことができれば、超高齢社会における「健康寿命」の延伸に貢献すると期待される。
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