研究課題/領域番号 |
21H02350
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
坪田 敏男 北海道大学, 獣医学研究院, 教授 (10207441)
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研究分担者 |
佐鹿 万里子 北海道大学, 獣医学研究院, 助教 (30722954)
下鶴 倫人 北海道大学, 獣医学研究院, 准教授 (50507168)
中尾 亮 北海道大学, 獣医学研究院, 准教授 (50633955)
MOHAMED MOUSTAFA 北海道大学, 獣医学研究院, 学術研究員 (80794023)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2021年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
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キーワード | ヒグマ / シカ / マダニ媒介性感染症 / Disease Ecology / クラスター |
研究開始時の研究の概要 |
近年、マダニが媒介する感染症が人に感染し、死亡または重篤化した事例が発生している。これら人獣共通感染症の宿主は野生動物と考えられるが、その感染ルートや媒介ベクターが特定されていない場合も多い。本研究では、北海道のヒグマとシカを宿主とするマダニ媒介性感染症の宿主-ベクター-病原体の関係において、感染率を決める要因を宿主側およびベクター側の両面から探求する。宿主要因として進化の過程で構築された遺伝集団(クラスター)および行動様式、ベクター要因として宿主嗜好性および地域分布について明らかにする。本研究により、Disease Ecologyという学問分野からマダニ媒介性感染症研究の新しい展開をめざす。
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研究実績の概要 |
北海道のヒグマおよびシカにおけるマダニ媒介性感染症の感染要因を明らかにするために、昨年度に続き、道北、道東および道南で狩猟、個体数調整および有害捕獲によって捕殺されたヒグマおよびシカの死体より、死後なるべく速やかに血液、肝臓ならびに寄生マダニを採集し、検体数を増やした。また、学術捕獲により両種より血液と寄生マダニを採集した(昨年度より検体数を増やした)。さらに、宿主側の要因の一つ、行動様式を明らかにするために、ヒグマ・シカ用捕獲ワナで生捕りしたヒグマ・シカに麻酔下でカメラ付きGPS首輪を装着し、両種の行動を数ヶ月間にわたり追跡した(頭数を増やした)。上記ヒグマ、シカおよびマダニ検体よりDNAを抽出し、PCR法によりマダニ媒介性病原体を検出し、3地域での感染率を比較検討した。本年度は、道東の知床地域において重点的にシカにおけるマダニの寄生状況を把握するために調査を行なった。すなわち、6-10月の期間、毎月シカを10頭ずつ生捕り、シカから血液を採取するとともに、マダニ種毎に寄生部位および寄生数を調べた。その研究成果の一部を日本獣医学会ならびに日本生態学会の学術集会で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね計画通りに調査研究を行えているため
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今後の研究の推進方策 |
これまでに採集したヒグマ、シカおよび寄生マダニについて病原体を検出する作業を進める。道北、道東および道南における寄生マダニ種やその数の違いと宿主の病原体の感染率との関係を分析し、マダニ媒介性感染症の感染率を決める要因が主に宿主側にあるのかベクター側にあるのかを検討する。ま次年度が最終年度になるので、その結論を得たいと考えている。た、宿主側要因の一つであるヒグマとシカの行動様式を把握するために、これまでに装着したカメラ付きGPS首輪を順次回収し、データを分析する予定である。ヒグマとシカの行動様式の違いが、マダニ媒介性病原体の感染率の違いに関係するのか否かについて検討する。
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