研究課題/領域番号 |
21H02355
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
米澤 智洋 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (10433715)
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研究分担者 |
柏原 直樹 川崎医科大学, 医学部, 教授 (10233701)
桃井 康行 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (40303515)
中島 修 山形大学, 医学部, 教授 (80312841)
前田 真吾 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (80755546)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2023年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 10,010千円 (直接経費: 7,700千円、間接経費: 2,310千円)
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キーワード | 慢性腎臓病 / 酸化ストレス / 猫 / 病態生理 / 抗酸化物質 / 腎臓病 |
研究開始時の研究の概要 |
腎臓病は、獣医療でもヒト医療でも罹患率や致死率の高い治療困難な疾患である。これまでに応募者は、抗酸化物質 5-アミノレブリン酸の合成酵素であるALAS1のヘテロ欠損マウスが、腎臓近位尿細管上皮細胞のミトコンドリアに特徴的な障害をもつことを明らかにした。本研究では、尿細管上皮細胞株の3D培養系、上記のモデルマウス、およびネコ臨床症例を用いて、獣医療・ヒト医療に役立つ新しい腎臓病予防/治療薬の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
猫は慢性腎臓病の罹患率が高い。本研究では、慢性腎臓病の進行と酸化ストレスの関係を明らかにするとともに、5-アミノレブリン酸(5-ALA)による治療介入の可能性について評価することを目的とした。猫の腎上皮細胞による実験、ALAS1発現低下マウスを用いた実験、実験猫を用いた安全性・有効性試験、慢性腎臓病に罹患した猫に対する臨床試験を実施した。酸化ストレスは腎臓近位尿細管のミトコンドリア障害を引き起こすこと、慢性腎臓病は血中の酸化ストレスマーカーの上昇を引き起こすこと、5-ALAの投与はそうした酸化障害の一部を軽減することが示された。本研究の成果は猫だけでなく人類の慢性腎臓病の理解や治療にも役立つ。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は、猫の慢性腎臓病の進行過程において酸化障害が糸球体の基底膜の構造や近位尿細管のミトコンドリア機能を犯すことを示した点でが学術的意義がある。また、抗酸化物質の一つである5-ALAを合成する代謝酵素の不全が腎臓病を増悪し、5-ALAを経口投薬することによってこれを改善しうることを示したことは、治療法の開発に直結する点で社会的な意義がある。さらに、猫を用いた安全性試験および症例を用いた臨床試験を実施したことにより、これらの成果の社会的な意義の高さが裏打ちされている。
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