研究課題/領域番号 |
21H02372
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
後飯塚 僚 東京理科大学, 研究推進機構生命医科学研究所, 教授 (50301552)
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研究分担者 |
樋上 賀一 東京理科大学, 薬学部生命創薬科学科, 教授 (90253640)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2022年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2021年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
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キーワード | 早期ライフステージ / 免疫系 / B細胞 / 自然抗体 / 免疫 / DOHAD / 胎生期 / 胎児期 / 内臓脂肪 / 炎症 / 胎生期環境 / 免疫記憶 / 内臓脂肪炎症 |
研究開始時の研究の概要 |
生活習慣の変化に関連した肥満などの内臓脂肪炎症に起因する疾患は遺伝的な要因以外に、胎生期栄養環境が関連していることが示唆されてきている。しかしながら、腸内細菌叢と密接に関連する免疫系の関与については明らかになっていない。本研究は胎生期に発生・分化する胎仔型B細胞に着目し、本細胞が広域交差反応性の抗原受容体を介して変性自己抗原ならびに腸内細菌由来成分を認識することに基づき、胎生期栄養環境を記憶することで成体における内臓脂肪炎症の制御に関与している可能性を検討するものである。妊娠時の栄養療法による内臓炎症疾患の予防獣医学・医学の進展に貢献することを目指す。
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研究成果の概要 |
胎生期に形成される免疫記憶は免疫系の発達や内臓脂肪炎症などの成人病に対する感受性と関連することが示唆されている。本研究ではRAG2遺伝子の転写履歴を持つリンパ球細胞を追跡できるシステムを作製し、胎生期に発生・分化するB細胞の成体B細胞プールへの寄与ならびに性状について比較解析した。その結果、成体腹腔、脾臓および骨髄におけるCD5陽性B細胞の約10%は胎生期由来であり、その殆どは変性自己抗原と反応するB細胞抗原受容体(BCR)を発現した。自然抗体を産生する骨髄形質細胞のBCRは胎生期由来B細胞と類似性を示すことから、成体で維持される胎生期B細胞から供給されることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腹腔などの脂肪組織に局在するB細胞は胎生期造血系に由来し、広域交差反応性の自然抗体や抑制性サイトカインIL-10を産生することで免疫制御に関与すると考えられてきた。しかしながら、表現型を軸とした既存の解析手法では胎生期B細胞の免疫記憶と成体疾患の直接的な関連性を解析することは不可能であった。本研究で作製した生理的条件での胎生期B細胞の遺伝学的細胞系譜追跡システムを用いた知見はこれまでの胎児肝細胞移入を用いた研究成果を生理的条件で厳密に確定するものであり、今後、内臓脂肪炎症などの免疫疾患における胎生期B細胞の機能解析の応用基盤を構築するものである。
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