研究課題/領域番号 |
21H02373
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 日本獣医生命科学大学 |
研究代表者 |
手嶋 隆洋 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 准教授 (80610708)
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研究分担者 |
高野 貴士 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 講師 (20462781)
道下 正貴 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 准教授 (50434147)
佐々木 崇 札幌医科大学, 医学部, 講師 (50723897)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2021年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
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キーワード | 糖尿病 / インスリン / 間葉系幹細胞 / 犬 / 再生医療 / インスリン産生細胞 / 脂肪由来間葉系幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
インスリン投与を必要としない新たな糖尿病治療の確立が期待されている。申請者らは、生体内に存在する脂肪由来間葉系幹細胞から分化誘導したインスリン産生細胞の移植による新たな治療法の構築を目指しており、犬のインスリン産生細胞の移植によって糖尿病モデルマウスの高血糖を改善する段階に到達している。しかし、獣医臨床における実現化には、インスリン産生細胞の効率的な分化誘導の構築が次なる課題となっている。そこで本研究では、分化誘導に優れた間葉系幹細胞の特徴を明らかにし、分化誘導の鍵となる遺伝子を特定することで、効率的かつ安定的なインスリン産生細胞の分化誘導法を確立し、移植療法の実現を目指す。
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研究成果の概要 |
犬の糖尿病の新たな治療法として、脂肪由来間葉系幹細胞から作製したインスリン産生細胞の移植療法の実現を目指して本研究を実施した。間葉系幹細胞に4種類の転写因子を遺伝子導入することでインスリン産生細胞への誘導効率を高めることに成功した。分化誘導したインスリン産生細胞の分泌因子は糖尿病マウスの血糖降下作用が認められたが、移植後に正常血糖値までの十分な血糖降下作用を実現することはできなかった。また、細胞ソースの十分な確保を目的に樹立した不死化間葉系幹細胞を用いてもインスリン産生細胞への分化誘導が可能であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
糖尿病は犬の代表的な内分泌疾患であり、その治療にはインスリン注射が不可欠である。そのため、飼い主は毎食後に必ずインスリン投与を実施する必要があり、その負担は非常に大きい。そこで、インスリン注射に代わる新たな治療法の確立を再生医療によって実現することを目標に本研究に取り組んだ。本研究成果として、犬の脂肪由来間葉系幹細胞から分化誘導したインスリン産生細胞によって血糖降下作用が確認できた。しかし、糖尿病マウスへの移植では、正常血糖値までの十分な血糖降下作用を実現するには至らなかった。本研究結果はインスリン注射に代わる新たな移植療法の可能性を示唆し、今後さらなる研究を継続する価値があると考えている。
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