研究課題/領域番号 |
21H02381
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42030:動物生命科学関連
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
西野 光一郎 宮崎大学, 農学部, 教授 (90508144)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2022年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2021年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
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キーワード | ヒトiPS細胞 / 分化指向性 / 心筋分化 / DNAメチル化 / オミクスデータ / エピジェネティクス / 機械学習 |
研究開始時の研究の概要 |
心筋細胞分化をin vitroで再現し、そのメカニズムを解明するツールとしてiPS細胞は極めて有用である。しかし、一方でヒトiPS細胞の分化指向性の問題が最も顕著に現れるのが心筋細胞への分化である。心筋細胞の発生、分化メカニズムを詳細に解明するためには細胞内分子ネットワークを包括的に解析、評価することが必要である。本研究では、心筋分化に関わる細胞内ネットワークの解析に機械学習を活用する。我々が所有する多数のヒトiPS細胞株から機械学習に用いる多様で良質なデータを取得し、これら膨大なデータと機械学習を組み合わせることにより、心筋細胞の発生、分化メカニズムの分子ネットワークを解き明かす。
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研究成果の概要 |
ヒトiPS細胞は心筋発生を研究する上で有用なツールであるが、一方でヒトiPS細胞の分化指向性が問題となっている。本研究では、未分化ヒトiPS細胞から得られる網羅的DNAメチル化データと分化誘導実験から心筋細胞分化の阻害となる因子の同定を試みた。その結果、心筋への分化誘導効率に相関するDNAメチル化可変領域を同定し、特徴的なクロマチン構造の変化を見出した。これらのゲノム領域の異常なエピジェネティック状態が心筋細胞への分化を阻害することが示唆された。本研究で同定したDNAメチル化可変領域のDNAメチル化状態の評価は、未分化ヒトiPS細胞の心筋分化能を予測する新たなバイオマーカーとして有用である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって未分化状態のヒトiPS細胞における心筋分化に相関するDNAメチル化可変領域を同定することができた。本研究成果は、心筋発生分化の基礎的理解が進むだけでなく、ヒトiPS細胞の株間差を分子レベルで理解する基盤情報となる。また、未分化時にヒトiPS細胞の心筋分化効率を事前評価できるバイオマーカーとしても有用であり、ヒトiPS細胞の品質評価の新たな指標として再生医療研究へ大きく貢献できる成果である。
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