研究課題/領域番号 |
21H02390
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42040:実験動物学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
横井 伯英 京都大学, 農学研究科, 教授 (70311610)
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研究分担者 |
岡村 匡史 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 実験動物管理室長 (00333790)
須山 幹太 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (70452365)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2022年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2021年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
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キーワード | 疾患モデル / 糖尿病 / インスリン / 膵β細胞障害 / ゲノム編集 |
研究開始時の研究の概要 |
血糖を低下させる唯一のホルモンであるインスリンを分泌する膵臓のβ細胞の障害が糖尿病の基盤にあるが、その障害に関与する遺伝素因や障害の発症・進展の機構は明らかでない。本研究では、膵β細胞障害を呈するマウスおよびラットの糖尿病モデルを用いて、遺伝解析、各種オミクス解析ならびにゲノム編集技術により、膵β細胞障害機構の解明に挑む。本研究は、ヒト糖尿病における膵β細胞障害機構の解明や新規のメカニズムに基づく糖尿病治療薬の開発に直結するものである。
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研究実績の概要 |
本研究では、①膵β細胞障害の遺伝素因の同定、②膵β細胞障害の発症経路の同定、③ゲノム編集による候補変異の検証、④マウス・ラット・ヒトの比較生物学的解析による膵β細胞障害機構の解明について研究を遂行する。今年度は下記の項目について研究を実施した。 ①膵β細胞障害の遺伝素因の同定:肥満糖尿病モデルZFDMラットと単純肥満モデルZFラットとの交配により作出した戻し交雑仔(N2)のうち肥満を呈するfa/faホモ型のオスのN2仔について、分担者の須山らが開発したSNPタイピングのプラットフォームを用いて約3万個のSNPの遺伝子型判定を行うとともに須山らが開発したエクソーム解析(発現制御領域含む)のプラットフォームを用いて候補遺伝子(変異)を同定した。 ②膵β細胞障害の発症経路の同定:前年度に引き続き、ZFDMラットおよびKK-Ayマウスについて、随時血糖値が正常な時期および随時血糖値の上昇とともに耐糖能異常が顕在化する時期に膵島を単離し、RNAシーケンス解析により遺伝子発現の経時的変化ならびに発現異常を示す遺伝子の同定を進めた。さらに、新たに確立された肥満糖尿病モデルNSY-Ayマウスを解析対象に加えることとし、体重および血糖値の推移などの基本的な情報を獲得した。 ③ゲノム編集による候補変異の検証:上記①および②から得られた膵β細胞障害への関与が疑われる1つの候補遺伝子(変異)について、ゲノム編集により野生型アレルへ置換し、膵β細胞障害が抑制されるか否かの検証を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ほぼ計画通りに進行しているため。
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今後の研究の推進方策 |
①膵β細胞障害の遺伝素因の同定:糖尿病モデルLEA/Tohmラットのインスリン分泌不全病態を規定するラット第1染色体上のQTL領域について、上述のエクソーム解析のプラットフォームを用いてLEA/Tohmラットに特異的な候補遺伝子(変異)ならびにLEA/TohmラットとZFDMラットに共通する候補遺伝子(変異)を同定する。 ②膵β細胞障害の発症経路の同定:LEA/Tohmラット、ihsマウス、さらに新規の肥満糖尿病モデルNSY-Ayマウスについて、随時血糖値が正常な時期および随時血糖値の上昇とともに耐糖能異常が顕在化する時期に膵島を単離し、RNAシーケンス解析により遺伝子発現の経時的変化ならびに発現異常を示す遺伝子を同定する。 ③ゲノム編集による候補変異の検証:上記①および②から得られた膵β細胞障害への関与が疑われる候補遺伝子(変異)について、ゲノム編集による検証を行う。 ④マウス・ラット・ヒトの比較生物学的解析による膵β細胞障害機構の解明:上記①、②、③により同定された膵β細胞障害に関与する遺伝子(変異)および障害の発症・進展に関与する経路について、ヒトにおける遺伝子異常による糖尿病の原因遺伝子(変異)、ゲノムワイド関連解析により同定された糖尿病感受性遺伝子(SNPなどの多型)、ヒト膵島の遺伝子発現解析などの情報と比較検討することにより、マウス・ラット・ヒトにおける普遍的な膵β細胞障害機構を明らかにする。
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