研究課題/領域番号 |
21H02401
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43010:分子生物学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
甲斐 歳恵 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 教授 (40579786)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2021年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
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キーワード | 生殖細胞 / 小分子RNA / piRNA |
研究開始時の研究の概要 |
染色体の欠損や転座、挿入変異等によってゲノム情報を破壊する転移因子・トランスポゾンは、piRNAと呼ばれる小分子RNAによって抑制されている。piRNA前駆体から成熟piRNAへのプロセシングは多くの蛋白質が関与する複雑なプロセスであり、酵素活性をもつ因子の解析は進んでいるが、酵素活性を制御、または連携させる機構については不明な点が多い。生殖細胞でのpiRNA産生は、核膜近傍の細胞質側に存在するヌアージュという非膜系構造体で起こる。本提案では、ヌアージュでのpiRNAプロセシングに関与するTudorドメイン蛋白質(Tdrd)群の分子機能を解析し、piRNA生合成経路の包括的解明を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究課題では、生殖細胞特異的な非膜オルガネラ・ヌアージュに局在するTudorドメイン蛋白質(Tdrd)群の機能解析を行なった。dTdrd1はヌアージュに局在し、piRNA経路をより堅固にするために機能していることを明らかにした。また、ヌアージュに局在するRNAヘリカーゼTdrd9がTdrd5と相互作用し、ヌアージュ形成及びpiRNA前駆体ヌアージュへのリクルートを通じて、ピンポン増幅を推進することを明らかにした。また、ショウジョウバエ精巣に特異的に発現する、タンパク質コード領域RNA配列に由来する新たなpiRNA種を同定し、精子形成に機能する遺伝子の発現を制御していることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
piRNA経路は、生殖細胞のゲノムの安定化によって任性を保証する、動物にとって必要不可欠な生理学的プロセスの1つである。本研究によってもたらされた、その分子機構は、ゲノム安定化の分子機構の全容解明に大きく貢献するものである。無精子症や不妊症の患者には、申請者らの研究によってヌアージュ形成の核となることが明らかとなったTdrd9を含む既知のヌアージュ因子の変異が近年頻繁に報告されており、患者数は増えつつある。本研究によって明らかとなったpiRNAの生合成機構は、生殖医学に重要な知見をもたらし、不妊症疾患の新たな原因や治療法の開発の糸口を提供できると考えられる。
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