研究課題/領域番号 |
21H02407
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43010:分子生物学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
北島 智也 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, チームリーダー (00376641)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2022年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2021年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | 卵子 / イメージング / 染色体 / 紡錘体 / 動原体 / 微小管 / 卵母細胞 / 染色体分配 |
研究開始時の研究の概要 |
二極性紡錘体の形成は染色体分配に必須である。中心体を持たない卵母細胞では、微小管の自己集合により二極性紡錘体が確立すると考えられている。この過程において微小管重合の活性化の土台となるのは染色体であるが、紡錘体二極化の土台の機構は知られていない。最近我々は、動原体が紡錘体二極化に必須であることを報告した。本研究では、動原体が土台となり紡錘体を二極化させる分子機構を明らかにする。具体的には、 1) 紡錘体の二極化を定量的に評価する系を確立する 2) 動原体が足場となり紡錘体を二極化させる分子機構を明らかにする 3) 動原体を足場とする機構のin vitro再構成を行う
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研究成果の概要 |
本研究では、卵母細胞における紡錘体二極化の分子機構を明らかにすることを目的にした。マウス卵母細胞における紡錘体二極化は動原体因子NDC80に依存することから、NDC80を基盤とする制御機構に着目した。NDC80の微小管結合を不安定化するリン酸化模倣変異と、動原体キナーゼMPS1の阻害剤処理を組み合わせると、合成的に紡錘体二極化が欠損することが明らかになった。MPS1はNDC80のC端側ドメインおよび微小管クロスリンカーPRC1をリン酸化することが分かった。MPS1阻害は紡錘体二極化を遅延させ、それは動原体と微小管の接続エラーを引き起こしていた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
卵母細胞の減数分裂の過程における染色体分配のエラーは卵子の染色体数異常を引き起こす。卵子の染色体数異常は不妊、流産、ダウン症など先天性疾患の原因である。本研究の結果は、マウス卵母細胞は動原体が微小管接続エラーを回避するために紡錘体二極化を促進するメカニズムを有していることを示している。この発見は、ヒト卵母細胞にこれと類似のメカニズムが存在するかという研究を誘起するものであり、生殖医療研究を経て将来の生殖補助医療等への貢献が期待される。学術的には、中心体のない卵母細胞が紡錘体の二極性を確立するための特異的なメカニズムの発見として位置づけられる。
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