研究課題/領域番号 |
21H02408
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43020:構造生物化学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
尾瀬 農之 北海道大学, 先端生命科学研究院, 教授 (80380525)
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研究分担者 |
久米田 博之 北海道大学, 先端生命科学研究院, 学術専門職 (00399966)
杉田 征彦 京都大学, 医生物学研究所, 准教授 (00734469)
于 健 大阪大学, 蛋白質研究所, 特任准教授(常勤) (20587860)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2021年度: 8,190千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 1,890千円)
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キーワード | JAK-STAT / 相互作用解析 / クライオ電顕解析 / リン酸化 / NMR / 表面プラズモン共鳴 / 超遠心分析 / 複合体解析 / クライオ電顕 / 結晶解析 / シグナル伝達阻害 / ウイルス蛋白質 / クライオ電子顕微鏡 |
研究開始時の研究の概要 |
ウイルスがどの生物を宿主として選択するかを考える上で,宿主免疫系を不活化できるかどうかは非常に大きな要因である。多くのウイルスは宿主の免疫分子と結合するための蛋白質を準備し,固有の方法で免疫系を制圧する。本申請では,ヒトに重篤な障害・死をもたらすRNAウイルスが,ヒトJAK-STAT経路を不活化する戦略を明らかにする。私達はウイルスの蛋白質および宿主蛋白質を調製し,生化学研究を進めてきた。その結果,蛋白質間相互作用を担う領域が明らかになったため,複合体構造情報を得る。さらに,立体構造および生化学の結果を細胞生物学で評価し,ウイルスの科や属ごとに共通,或いは特異的な特徴を捉える。
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研究成果の概要 |
本申請では,ヒトに重篤な障害・死をもたらす狂犬病および麻疹の各ウイルスが,ヒトJAK-STAT経路を不活化する戦略を明らかにするため,ヒトSTAT1, STAT2, STAT3のリン酸化体・非リン酸化体を調製し,狂犬病ウイルス,麻疹ウイルスが保持するアクセサリー蛋白質との相互作用解析から結合モードを明らかにすると共に,STAT四量体とDNAやウイルス蛋白質との複合体電顕構造解析に成功した。また,麻疹ウイルスの蛋白質は,立体構造を持たない領域が220アミノ酸残基程度あり,STAT1との相互作用の他,細胞内結合競合分子(IRF9)との競合を有利に進める上で重要であることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ウイルスがどの生物を宿主として選択するかを考える上で,宿主免疫系を不活化できるかどうかは非常に大きな要因である。多くのウイルスは宿主の免疫分子と結合するための蛋白質を準備し,固有の方法で免疫系を制圧する。本研究では,宿主免疫分子であるSTATとの相互作用解析,複合体構造解析に成功したため,宿主指向性を分子レベルで理解できた。この情報を用いて,将来的なウイルス変異による宿主指向性の遷移(ドリフト)を予測する研究へと展開し,新興ウイルス対策に繋がるほか,宿主免疫系を不活化しない蛋白質を組み込んだ弱毒ウイルス株設計によるワクチン開発に発展する。
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