研究課題/領域番号 |
21H02431
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43030:機能生物化学関連
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
今泉 美佳 杏林大学, 医学部, 教授 (40201941)
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研究分担者 |
木下 専 名古屋大学, 理学研究科, 教授 (30273460)
大塚 稔久 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (40401806)
青柳 共太 杏林大学, 医学部, 准教授 (50453527)
安田 和基 杏林大学, 医学部, 教授 (80311611)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2022年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2021年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | インスリン開口分泌 / 2相性インスリン分泌 / アクティブゾーンタンパク質 / セプチン / 極性分泌 / 2相性インスリン分泌 / アクティゾーンタンパク質 / インスリン開口放出 |
研究開始時の研究の概要 |
膵β細胞からのインスリン分泌は2相性であり、毛細血管方向へ極性分泌されるがその分子機構は未だ不明な点が多く、インスリン分泌不全を呈する2型糖尿病の病態を明らかにするためにも解明が急がれている。本研究ではβ細胞の毛細血管に面した細胞膜領域に偏って局在しているアクティブゾーンタンパク質群とセプチン重合体に着目し、2相性インスリン極性分泌機構の全容を解明することを目的とする。
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研究実績の概要 |
膵β細胞からの毛細血管方向へのインスリン極性分泌メカニズムの解明に向けて、毛細血管側のβ細胞膜領域に局在しているセプチン重合体による極性分泌についての研究を進めた。セプチン重合体の必須分子であるセプチン7遺伝子の膵β細胞特異的ノックアウトマウスを用いた昨年度の研究により、セプチン重合体はグルコース刺激下での第2相インスリン分泌で観察される Newcomer顆粒(グルコース刺激開始以降に細胞膜へ輸送され,細胞膜へのdockingがほとんど観察できずに細胞膜と融合するインスリン顆粒)からのインスリン開口分泌を選択的に促進させることが明らかとなった。今年度はこのセプチン重合体によるnewcomer顆粒開口分泌調節の分子メカニズムについて研究を行った。セプチン7免疫沈降試料質量分析解析の結果、シャペロン蛋白質Hsc70が見出されたため、リコンビナントタンパクによるpull-down実験や免疫沈降実験を進めたところ、Hsc70は膵β細胞内でセプチン7と直接結合していることが示唆された。また、開口分泌マシナリー関連タンパクとの相互作用を免疫沈降実験により調べたところ、Hsc70は細胞膜SNARE蛋白質であるSNAP-25と相互作用していることがわかった。さらにHsc70遺伝子をknockdownさせた膵β細胞ではセプチン7遺伝子ノックアウトβ細胞と同様にNewcomer顆粒開口分泌が選択的に低下していることを全反射蛍光(TIRF)顕微鏡解析により明らかにした。以上の結果より、毛細血管側のβ細胞膜領域に局在しているセプチン重合体はHsc70-SNAP-25を介してnewcomer顆粒による第2相インスリン極性分泌を調節している可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
膵β細胞特異的セプチン7遺伝子欠損マウスとセプチン7 遺伝子をknockdownした膵β細胞、MIN6β細胞を用いることにより、生化学実験、及びイメージング解析を概ね計画通り進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
セプチン重合体がHsc70-SNAP-25を介してさらにどのような分子機構でグルコース刺激下での第2相インスリン極性開口分泌を調節しているのかを明らかにする。また、極性分泌部位でのアクティブゾーンタンパク質複合体の実態と第1相インスリン極性分泌への制御機構について引き続き解析を進める。
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