研究課題/領域番号 |
21H02435
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43030:機能生物化学関連
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
山地 俊之 国立感染症研究所, 細胞化学部, 室長 (50332309)
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研究分担者 |
谷田 以誠 順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (30296868)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2022年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2021年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | スフィンゴ脂質 / サルベージ経路 / CRISPRライブラリー / ゲノムワイド探索 / リソソーム / 血清 / ゲノムワイドスクリーニング |
研究開始時の研究の概要 |
生体膜脂質の重要な構成成分であるスフィンゴ脂質は、新生経路(de novo経路)の他、血中・細胞膜由来のスフィンゴ脂質がリソソーム分解を経て再利用される経路(サルベージ経路)により生合成される。本研究ではサルベージ経路に焦点を当て、申請者がゲノムワイドな探索で同定したこの経路に関与する遺伝子候補群を生化学的・細胞生物学的に解析することで、スフィンゴ脂質のリソソームから生合成の場である小胞体に至る輸送機構の全容解明を行う。具体的には候補遺伝子の遺伝子破壊細胞を複数作製し、それぞれの細胞におけるスフィンゴ脂質代謝の変化、及び細胞内小器官への影響を解析する。
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研究成果の概要 |
血清中のスフィンゴ脂質に依存して糖脂質を発現する、すなわちスフィンゴ脂質再利用代謝経路を簡便に追跡できる細胞を樹立し、この細胞を用いたゲノムワイドなCRISPR KOスクリーニングにより、再利用経路に関与する遺伝子を網羅的に同定した。同定した遺伝子のKO細胞株を用いた脂質解析により、特にLDL受容体、酸性スフィンゴミエリナーゼ(SMPD1)、スフィンゴシン1リン酸ホスファターゼ(SGPP1) において強いサルベージ経路への寄与が見られた。またNPC1をはじめ細胞内輸送に関与する複数の因子に関しても、上記の因子ほどではないものの、サルベージ経路への寄与が確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究はスフィンゴ脂質代謝の基礎研究のみならず、リソソームの細胞生物学的研究及びリソソーム病(脂質蓄積症)解析等、より広い研究分野において重要な知見をもたらす。さらにスフィンゴ脂質の代謝バランスは糖尿病等の生活習慣病に影響を及ぼすことから、本研究における血清由来スフィンゴ脂質の代謝機構解明が、これらの疾患に対してスフィンゴ脂質制御による治療を考える上での有用な知見をもたらすものと期待する。
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