研究課題/領域番号 |
21H02437
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43040:生物物理学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
三上 秀治 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (60754976)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 14,430千円 (直接経費: 11,100千円、間接経費: 3,330千円)
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キーワード | 多光子顕微鏡 / 神経活動計測 / 膜電位イメージング / 高速イメージング / 蛍光顕微鏡 / 二光子顕微鏡 |
研究開始時の研究の概要 |
ここ数年で良好な膜電位応答性蛍光タンパク質が登場し、光学的イメージングにより神経細胞の膜電位ダイナミクスを直接観察することが可能になった。しかしながら膜電位計測の大規模化には、イメージングに用いる素子の性能限界と手法そのもののスケーラビリティの欠如により困難が伴う。そこで本研究では画像から膜電位を取得するという既成概念を根本的に見直し、情報通信技術の応用により光学的膜電位計測の効率を飛躍的に高め、かつスケーラビリティを有する手法を開発し、大規模膜電位計測への道を拓く。具体的には、周波数分割多重、時分割多重、多チャネル検出などの情報通信分野の技術に基づく装置を開発する。
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研究成果の概要 |
膜電位応答性蛍光タンパク質を用いた大規模な神経活動計測手法の開発を目的として種々の検討を行った。まず、計測条件検討のために自作の多光子顕微鏡を設計・構築し、神経細胞からの蛍光画像取得を可能とした。次に、測定対象の神経細胞が計測中に移動することを想定し、細胞位置推定・追跡アルゴリズムの開発および原理検証を実施した。さらに、入手可能な対物レンズ、スキャナ等の光学素子を用いた多点検出手法の実装形態について検討するとともに、具体的な実装形態における計測頻度の見積もりを数値シミュレーションおよび理論計算により行い、約2000個のマウスの神経細胞をおよそ1kHzで計測可能な条件を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は脳内のニューラルネットワークのふるまいを実際に記録するための手段を検討するものであり、脳に対する基本的な理解および神経疾患の機序解明につながるという点において理学、あるいは医科学としての学術的意義および社会的意義を有する。さらに、本研究では従来標準的に用いられてきたイメージングに基づく神経活動計測手法の限界を打破するための新たな計測手段を追究するものであり、工学の観点からも新たな計測学を開拓するという点で学術的意義を有する。
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