研究課題/領域番号 |
21H02443
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43040:生物物理学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
今田 勝巳 大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (40346143)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2021年度: 8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
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キーワード | 細菌べん毛 / クライオ電子顕微鏡 / X線結晶構造 / シンメトリーミスマッチ / 超分子複合体 / 分子進化 |
研究開始時の研究の概要 |
細菌の多くは、べん毛と呼ばれる繊維状の運動器官を用いて移動する。べん毛は約30 種類の蛋白質が数万個集合した巨大な分子複合体である。べん毛基部のモータがロッド、フック、フィラメントで構成される繊維状の軸構造体を回転することで細菌は運動する。本研究では、短繊維べん毛の構造をクライオ電子顕微鏡法により解明し、物性・機能・構造・シンメトリーが異なるロッド・フック・フィラメントがどのように結合し、巨大な軸構造が一体で作動するしくみの理解を目指す。また、軸構造形成途中の様々なべん毛の構造を解析し、シンメトリーミスマッチを克服・利用して複雑な軸構造が形成されるしくみを解明する。
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研究成果の概要 |
細菌の運動器官であるべん毛の軸構造は、剛直なロッド、柔軟なフック、剛性に富みながら超らせん形態が変化するフィラメントで構成される構造体である。このような複雑な構造体を形成するしくみ、物性・機能・構造・シンメトリーが異なる各部を結合して連動させるしくみは不明である。本研究では、軸構造形成途中の構造および短繊維べん毛変異体の構造をクライオ電子顕微鏡により解析し、フックおよびフィラメントが成長するしくみ、フックとフィラメントを結合するしくみを解明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生命活動を担う複雑な生体分子超複合体の多くは、シンメトリーミスマッチを利用して作られ作動する。本研究で解明されたべん毛軸構造の構築のしくみは、他の生体超分子複合体の構築・作動原理を理解する上で重要な知見であり、さらには、ナノスケールでの力学研究やナノマシン設計に向けて重要な基盤となる。また、べん毛軸構造形成阻害をターゲットとして細菌運動性を奪うことで感染を阻止する新しいタイプの薬剤開発の構造基盤となる。
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