研究課題/領域番号 |
21H02464
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43050:ゲノム生物学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立成育医療研究センター |
研究代表者 |
深見 真紀 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 分子内分泌研究部, 部長 (40265872)
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研究分担者 |
小堀 善友 獨協医科大学, 医学部, 非常勤講師 (50566560)
淺原 弘嗣 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (70294460)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2023年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
2022年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2021年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
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キーワード | ゲノム / 性染色体 / 精子形成 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、ヒトY染色体の機能発揮および構造変化獲得の分子基盤を解明することである。ヒトY染色体は、性分化や生殖に必須の役割を果たし、しばしば構造変化を生じるという特徴を有する。しかし、Y染色体はゲノムの中で最も解析が進んでいない。 本研究では、性分化疾患・生殖機能障害患者・健常男性等のゲノムDNAや精子を最新の方法で解析する。これによってY染色体ゲノム再構成の構造や頻度および発症機序を明らかにする。次いで、Y染色体機能に関与する新たな遺伝子や非コードRNAを明らかとする。また、ヒトY染色体が今後どのように進化しうるかを予測する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、ヒトY染色体の機能および構造変化獲得の分子基盤を解明することである。本年度は、下記の2つの課題に取り組んだ。 研究課題 ①:Y染色体ゲノム変化の把握とその誘因の解明 さまざまな年齢の男性のY染色体コピー数解析を行い、体細胞におけるモザイクY染色体喪失が高齢男性だけではなく胎児から生殖年齢までのすべての年齢の男性に生じることを明確とした。胎児におけるY染色体喪失は、性分化疾患(mixed gonadal dysgenesis)やTurner症候群の原因となり、小児では低身長の原因となる。さらに小児期から生殖年齢までの男性におけるY 染色体喪失は精子形成障害を招く。加齢性Y染色体喪失は喫煙によって誘導されるが、それ以外の年齢のY染色体喪失のリスク因子は未解明である。とくに本研究では、Y染色体長腕AZF領域の欠失多型が加齢性Y染色体喪失のリスク因子とならないことを見出した。 研究課題 ②:Y染色体機能に関与する遺伝的因子の解明 昨年度に引き続き、男性特異的成長遺伝子について解析を続行している。Y染色体部分欠失を有する患者の表現型解析から、Y染色体上の成長遺伝子のゲノム領域の限局化を行っている。また、無精子症患者70例のゲノムDNA検体を集積し、multiplex ligation dependent probe amplificationと次世代シークエンサーパネルを用いたY染色体遺伝子変異のスクリーニングを行った。現在、データを解析し、検出されたバリアントの病的意義の検証を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね計画通りに進展している。研究成果が得られ、本年度英文論文として発表した。
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今後の研究の推進方策 |
計画に従い、性染色体上に想定される男性特異的成長遺伝子の単離に取り組む。また、無精子症患者のゲノム解析を終了し、Y染色体遺伝子バリアントやゲノム再構成が無精子症発症に果たす役割を明確にする。また、Y染色体構造多型の成因について解析を進める。 計画変更および研究遂行上の問題点はない。
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