研究課題/領域番号 |
21H02471
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44010:細胞生物学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
水野 健作 東北大学, 生命科学研究科, 名誉教授 (70128396)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2022年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2021年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
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キーワード | 間葉系幹細胞 / 脂肪細胞分化 / アクチン骨格 / Rho / RhoGEF / 力覚応答 / Rho-GEF / 分化誘導 / 細胞骨格 / 分化 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞は外界の力学的環境に応答して、その形態、運動能、増殖・分化能を大きく変化させる。間葉系幹細胞(MSC)は、脂肪、神経、筋、骨などの細胞に分化する幹細胞であるが、接着する基質の硬さの違いによって、相応する硬さの組織の構成細胞に分化誘導される。このようなMSCの基質の硬さ依存的な分化誘導は、発生・再生過程において重要な役割を果たしていると考えられるが、MSCが力学的環境を感知し応答するしくみは不明である。本研究は、MSCの基質の硬さ依存的な分化誘導機構を解明することを目的とする。本研究は、幹細胞の分化誘導機構の解明だけでなく、関連疾患の病因解明にも寄与することが期待される。
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研究成果の概要 |
本研究は、間葉系幹細胞(MSC)の基質の硬さ依存的な分化誘導機構を解明し、細胞の力覚応答の分子機構を解明することを目的とした。特に、力覚応答におけるアクチン骨格再構築の制御機構を解明するため、Rhoファミリーの活性化因子であるRhoGEF分子群について、MSCの脂肪細胞分化に関与するものを網羅的に探索した。その結果、脂肪細胞分化の促進に寄与するRhoGEFを7種類、抑制に寄与するRhoGEFを14種類同定した。後者のうち10種はRhoAに対するGEFであり、そのうち6種は力覚応答への関与が報告されており、これらのRhoGEFは、基質の硬さ依存的なMSCの分化を制御していることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって、アクチン骨格の再構築を介して間葉系幹細胞(MSC)の脂肪細胞分化を促進及び抑制するRhoGEFを多数同定することに成功した。MSCは、成体から単離することが可能な多能性の幹細胞であり、再生医療の有望なシーズであるが、その分化誘導や未分化状態を維持して培養することが未だ困難である。今回の成果は、MSCが外部の力学的環境に応じて分化方向を決定する新たな分子機構の発見につながるとともに、MSCを効率良く任意の細胞へ分化させる方法や多分化能を維持して大量に培養する技術の開発につながることが期待される。
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