研究課題/領域番号 |
21H02479
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44010:細胞生物学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
千原 崇裕 広島大学, 統合生命科学研究科(理), 教授 (00431891)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2022年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2021年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | 嗅覚 / 免疫 / 老化 / ショウジョウバエ / 寿命 / オートファジー |
研究開始時の研究の概要 |
嗅覚は周囲の揮発性化学物質を感知するだけでなく、生物個体の生理状態にも影響を及ぼす。しかし、このような経験的な「匂い効果」に関する科学的な検証は未だ少ないのが現状である。本研究では、世代時間が短く、高度な遺伝学的手法を用いることが可能 なショウジョウバエを活用することで、「嗅覚はどのように個体の生理状態(特に老化)を 制御しているのか?」という問いに答えるための神経回路・分子基盤を明らかにする。更に、 ここで明らかにした知見を基に、個体の寿命を制御する“寿命延長臭(機能的臭い物質)” を同定し、嗅覚による寿命制御研究の基盤を築く。
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研究成果の概要 |
寿命に関連する個体生理状態(免疫、炎症状態など)を検出するために、自然免疫レベル検出システムを確立した。このシステムを用いて「自然免疫レベルに影響を与える嗅覚受容体神経の探索」を行なった結果、自然免疫を制御するA嗅覚受容体神経(仮称)を同定することに成功した。A嗅覚受容体はカビなどが発する匂い物質を感知するのに必要な嗅覚受容体であることが知られており、このA嗅覚受容体の活性化によって個体の自然免疫レベルが上昇することには生物学的合理性が認められる。今後はA嗅覚受容体が自然免疫や個体老化を制御する分子メカニズムを解明することで、匂いによる個体生理制御のメカニズム解明を目指していく。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
老化に伴う個体機能低下に対する社会的関心は大きい。一般に老化要因として知られる食事やストレスではなく、“嗅覚”による寿命制御には大きな関心が寄せられている。今回の研究の成功は、例えば長寿効果を持つ機能性匂い物質の開発にも繋がる可能性があり、「匂うだけで健康長寿」という概念も提案できるかもしれない。今回の研究成果である「(老化にも関わる)免疫を制御する匂い神経回路の同定」は、今後の“匂いによる個体生理制御研究”の礎となるものである。
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