研究課題/領域番号 |
21H02486
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44020:発生生物学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐藤 ゆたか 京都大学, 理学研究科, 准教授 (40314174)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2022年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2021年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | ホヤ / 遺伝子調節ネットワーク / Zic / Foxd / 初期発生 |
研究開始時の研究の概要 |
動物の発生における遺伝子発現の問題は精力的に研究され、遺伝子調節ネットワーク構造(遺伝子間の相互依存関係)の解析へと発展してきた。しかしなお、胚内で確立される多様な遺伝子発現を実験や計算によってまるごと再現するレベルには至っていない。ホヤ初期胚の遺伝子調節ネットワーク構造構造はすでにほぼ完全に明らかになっているので、その動態を理解し、将来的にはそれを計算機上で再現することを目標としたい。動態の理解には経験則的に妥当と思われている仮定を実証することが必要である。これらの実証はホヤのみならず生物一般に通じる重要な問題を解き明かすことになると予想される。
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研究実績の概要 |
多細胞生物の発生においてつくりだされる多様な遺伝子発現パターンは遺伝子調節ネットワークの働きによるものである。ネットワーク構造の理解は進んだが、その動態の理解は進んでいない。私のグループではゲノムと胚の構造が単純なホヤを用いて遺伝子調節ネットワークの動態を細胞の単位で解析し、32細胞期までの胚全体のネットワーク動態を計算機上で再現することに成功している。その再現においては経験則的な仮定をおいているので、そうした仮定の実証を進める。具体的には次の三つの課題に取り組む。(1)明確な結合配列がその標的の調節領域にない転写因子について、一部は複数のモチーフを認識する可能性の検証。(2)受精後一定時間たってから胚性ゲノムからの転写が始まるというZygotic genome activationの分子機構の理解。(3)遺伝子調節ネットワーク動態が不連続に進行する背景にある分子機構。 (1)について、Zic-r.a転写因子が二つのモチーフを認識し、それぞれが別の組織特異的発現を担っていることを明らかにし、論文として公表した。また、Foxd転写因子がわずかに異なる配列を認識することで、標的を活性化したり抑制したりという機能の切り替えをおこなっていることを明らかにした。(2)について、いくつかの母性転写因子についてノックダウン実験をおこない、初期の遺伝子発現に対してグローバルな影響が認められることを確認した。(3)について、Foxdタンパク質に対する抗体を作成し、Foxdタンパク質の胚内での動態を詳しく観察した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定している三つの問題を解決するための実験が順調に進行している。
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今後の研究の推進方策 |
順調に研究が進展しており、このまま予定通りに進めていくつもりである。
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