研究課題/領域番号 |
21H02498
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44020:発生生物学関連
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研究機関 | 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(機構直轄研究施設) |
研究代表者 |
高田 慎治 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(機構直轄研究施設), 生命創成探究センター, 教授 (60206753)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2022年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2021年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
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キーワード | 遺伝子 / 細胞 / 発生・分化 / シグナル伝達 / 発生 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、Wntの拡散性の強弱を規定する分子基盤を理解するとともに、Wntが拡散することの意義を実験的に明らかにすることを目指す。前者の目的を達成するために、Wnt分子の拡散性を規定する要因として、Wnt複合体の変化や細胞外分子との相互作用を想定し、それらがWntの拡散性与える影響を複数のモデル系にて検討する。後者に対しては、Wntの拡散が起きないWnt3a変異体を用いて、マウス神経管の発生におけるWntの拡散の意義と制御機構を明らかにする。本研究は、従来考えられて来た分泌シグナルの作用機序を多面的に再検討するものであり、発生における空間制御のパラダイムを転換させる可能性を秘めている。
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研究成果の概要 |
Wntなどの分泌性シグナル蛋白質は、産生細胞からの分泌・拡散を介して作用すると考えられているが、その根拠となるデータは十分とは言えない。そこで、本研究では、Wntの拡散性を規定する分子基盤を理解するとともに、拡散の意義を実験的に明らかにすることを目指した。その結果、Wnt複合体形成の特異性や細胞表面分子との相互作用がWntの動態に与える影響が明らかになるとともに、Wntの拡散が起きないマウス胚を用いた解析から、神経管の発生におけるWntの拡散の意義が示された。以上の多面的な解析により、発生における空間制御について新たなモデルが提唱された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Wntの組織内伝達機構に関する研究は、ショウジョウバエを主なモデルにして精力的な解析が行われてきた。その結果、Wgが細胞外小胞により運搬されるというモデルが提唱されている。一方、これらWnt拡散型のモデルと対峙する形で、非拡散性のWntであっても組織の領域形成を起こしうるという報告がなされ、Wntの拡散の意義とその制御機構は現在大きな議論の対象になっていた。本研究はWntの拡散の重要性を生化学的解析を含む多面的な解析により検討したものであり、その結果はWntシグナルの組織内伝達機構の理解に大きく寄与する。
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