研究課題/領域番号 |
21H02502
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44030:植物分子および生理科学関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
久堀 徹 東京工業大学, 国際先駆研究機構, 特任教授 (40181094)
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研究分担者 |
吉田 啓亮 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (40632310)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2021年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
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キーワード | レドックス制御 / チオレドキシン / システイン / グルタチオン / 光合成電子伝達 / 酸化因子 / ATP合成 / 光合成電子伝達系 / ATP合成酵素 |
研究開始時の研究の概要 |
光合成生物は、環境の変化に対して光合成電子伝達系から供給される還元力を利用して諸酵素の酸化還元状態を制御し代謝調節を行っている。しかし、これまでin vitroの生化学的解析が生体内の酸化還元物質の影響を考慮していないことや、酸化還元状態変化以外のCysのチオール基の修飾がほとんど調べられていないことなどにより、生体内での制御の実態は未解明であった。そこで、レドックス制御系に関わるチオール基の変化を、生体内を模した条件下で調べ、レドックス制御系のin situでの働きを総合的に理解する。
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研究成果の概要 |
①葉緑体レドックス制御系の電子伝達に関わるフェレドキシン-チオレドキシン還元酵素(FTR)を遺伝子破壊し制御システムの生理的な重要性を明らかにした。また、FTRのノックダウンによるレドックス制御標的酵素の還元レベルの低下が電子伝達系に影響することを見出した。②葉緑体で機能する酸化因子に標的特異性があること、酸化因子ACHTが過剰な光エネルギーの熱散逸システムに関わることを明らかにした。③レドックス制御系の標的である葉緑体ATP合成酵素の制御領域の変異株を作出し、レドックス応答とATP合成活性制御の対応を明らかにした。また、この酵素の酸化過程におけるプロトン駆動力の寄与を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
光合成は地球上で唯一太陽光エネルギーを生物が利用可能な化学エネルギーに変換する、すべての生命を支える重要なエネルギー変換機構である。自然界では、光環境は時々刻々変化するが、光合成生物はこの環境変化に適応して最適な状態で光合成反応を営んでいる。この最適化の鍵を握る制御システムがレドックス制御システムであり、この制御機構を明らかにすることは、光合成の耐性強化、生産性の向上など、将来の光合成機能の改変による光合成生物の強化に重要な知見を提供するもので、エネルギー獲得や食糧増産など人類社会に貢献する研究である。
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