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新陳代謝して細胞が入れ替わり続ける組織の恒常性を保つための新規シグナル経路の開拓

研究課題

研究課題/領域番号 21H02503
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分一般
審査区分 小区分44030:植物分子および生理科学関連
研究機関名古屋大学

研究代表者

打田 直行  名古屋大学, 遺伝子実験施設, 教授 (40467692)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2023年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2022年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2021年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
キーワード根冠 / 分泌ペプチド / 幹細胞
研究開始時の研究の概要

作った細胞を体内に残すことの多い植物にも、動物の皮膚や爪のように内側の幹細胞が外側に細胞を供給しつつも、最外層が順に剥離する新陳代謝により恒常性を保つ組織も存在する。このためには最外層剥離と幹細胞からの細胞供給が協調する必要があり、最外層と幹細胞の間での情報伝達が想定されるが、その分子実体はほぼ未解明だった。研究代表者は、新陳代謝を行う組織の1つである根冠において、最外層で発現し内部の幹細胞を制御する分泌因子RCPを発見した。そこで、RCP受容体の同定、根冠の新陳代謝の中でのRCP発現と幹細胞活動の連動の観察、RCP経路の具体的役割の解析、RCP経路下で作動する幹細胞調節因子群の同定、を行う。

研究実績の概要

内側の幹細胞が外側に細胞を供給しつつも、最外層が順に剥離する新陳代謝により恒常性を保つ組織では、最外層剥離と幹細胞からの細胞供給が協調する必要があり、最外層と幹細胞の間での情報伝達が想定されるが、植物における分子実体はほぼ未解明である。研究代表者は、新陳代謝を行う根冠組織において、最外層で発現し内部の幹細胞を制御する分泌因子に着目した研究を実施し、本年度は以下の進展を得た。根冠に発現すると推定される受容体の候補群を公共の遺伝子発現データベースを用いて選抜し、それらの変異体、発現解析レポーター植物の整備を進め、整備し終わったものに関しては表現型を観察した結果、受容体候補遺伝子を絞り込むことができた。また、データベースの再解析により、候補にさらに加えるべき遺伝子もいくつか見つかったので、その整備を進めた。昨年度のうちに、根冠パターンの構築や維持に関わる複数のレギュレーターの発現を蛍光でモニターできる系を野生型背景と分泌因子の変異体背景で作成してあったので、その観察を行った結果、いくつかの因子は通常時でも異常な蛍光パターンを示し、いくつかは正常であった。一方で、この分泌因子の発現を上昇させるストレス条件を探索し、そのストレス条件での蛍光パターンも観察したところ、通常時では正常な蛍光パターンを示していた場合でも、ストレス条件では異常なパターンを示すものも見つかった。すなわち、この分泌因子は正常時でも根冠秩序の維持に重要である一方で、ストレス時には正常な根冠秩序の維持のための機能を向上させると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初に想定した計画通りに、蛍光レポーター植物、受容体候補群の変異体や発現解析レポーター植物の整備も順調に進み、解析も進んでいる。受容体候補群に追加が生じたが、その整備にも着手した。分泌因子の発現を上昇させるストレス条件も見つかり、通常時とストレス時の表現型解析も進んだ。以上から、研究は順調に進んでいると判断している。

今後の研究の推進方策

受容体候補群に関しては、追加で整備している変異体ラインを確立し、その解析に着手する。観察したサンプル数が少ないケースが残っているので、その解析数を増やし、観察結果の妥当性をさらに検証する。観察対象とすべき根冠パターンの構築や維持に関わるレギュレーターを追加し、この分泌因子が作用する経路をさらに絞り込む。

報告書

(2件)
  • 2022 実績報告書
  • 2021 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件)

  • [国際共同研究] テキサス大学(米国)

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [雑誌論文] A Small Compound, HYGIC, Promotes Hypocotyl Growth Through Ectopic Ethylene Response2023

    • 著者名/発表者名
      Murao M, Kato R, Kusano S, Hisamatsu, R, Endo H, Kawabata, Y, Kimura S, Sato A, Mori H, Itami K, Torii KU, Hagihara S, Uchida N
    • 雑誌名

      Plant Cell Physiol.

      巻: 64 号: 10 ページ: 1167-1177

    • DOI

      10.1093/pcp/pcad083

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] 自家受粉で重要な「おしべ」と「めしべ」の長さをそろえるペプチドホルモン2023

    • 著者名/発表者名
      打田 直行
    • 雑誌名

      バイオサイエンスとインダストリー

      巻: 81 ページ: 324-325

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [雑誌論文] Identification of a pluripotency-inducing small compound, PLU, that induces callus formation via Heat Shock Protein 90-mediated activation of auxin signaling.2023

    • 著者名/発表者名
      Nakashima Y, Kobayashi Y, Murao M, Kato R, Endo H, Higo A, Iwasaki R, Kojima M, Takebayashi Y, Sato A, Nomoto M, Sakakibara H, Tada Y, Itami K, Kimura S, Hagihara S, Torii KU, Uchida N
    • 雑誌名

      Front. Plant Sci.

      巻: 14 ページ: 1099587-1099587

    • DOI

      10.3389/fpls.2023.1099587

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] EPFL peptide signaling ensures robust self‐pollination success under cool temperature stress by aligning the length of the stamen and pistil.2023

    • 著者名/発表者名
      Negoro S, Hirabayashi T, Iwasaki R, Torii KU, Uchida N
    • 雑誌名

      Plant Cell Environ.

      巻: 46 号: 2 ページ: 451-463

    • DOI

      10.1111/pce.14498

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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