研究課題/領域番号 |
21H02504
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44030:植物分子および生理科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
西村 芳樹 京都大学, 理学研究科, 助教 (70444099)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2022年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2021年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | 葉緑体DNA / DNA ligase / DNA supercoil / 核様体 / ホリデイジャンクション解離酵素 / 葉緑体核様体 |
研究開始時の研究の概要 |
葉緑体核様体は葉緑体独自のゲノムと多様なタンパク質群の複合体であり、細胞周期、光や栄養などの環境に応じてその形態を柔軟に変化させながら、cpDNA複製・修復、遺伝子発現、遺伝などで様々な役割を果たしている。葉緑体分裂の際、葉緑体核様体は分裂に先立って葉緑体全体に拡散し、分裂完了後にふたたび凝集する。そうした葉緑体核様体の形態変化の分子機構や機能について、葉緑体核様体の形態・分裂異常を示すmonokaryotic chloroplast (moc) 変異体や、葉緑体型DNA ligaseの解析を糸口とし、DNAスーパーコイルという観点から明らかにしていく。
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研究実績の概要 |
細胞内共生説によれば、葉緑体は真核生物の祖先にシアノバクテリア様の細菌が共生したことで誕生した。その証拠の一つとして、葉緑体DNAの存在が挙げられる。葉緑体DNAは多様なタンパク質と結合し、折り畳まれることで葉緑体核様体を構築する。葉緑体核様体は葉緑体遺伝子発現の基盤として、光合成をはじめとする葉緑体機能を支えている。我々はこれまでに、緑藻クラミドモナスをモデルとしたライブイメージング技術を駆使して、細胞分裂時における葉緑体核様体の挙動を明らかにしてきた。細胞核の染色体が分裂時に凝集して染色体構造をとり、紡錘糸によって娘細胞へと正確に分配されるのに対し、葉緑体の染色体ともいうべき葉緑体核様体が採る戦略は真逆である。間期において、一つの葉緑体あたり5-10個の球状構造として存在する葉緑体核様体は、分裂に先立って解体され葉緑体全体に分散する。そして分裂完了とともに球状構造へと再構築される。これは1990年代に提唱されたStochastic inheritanceという戦略にピタリとあてはまることが、数理シミュレーションでも実証された。我々はさらに、この可逆的な分散/再構築を実現する分子機構を追求した。野生株や変異体の詳細な観察の結果、我々は葉緑体型Holliday junction resolvaseが葉緑体核様体解体に先立って発現上昇し、この変異体では核様体解体が起きないこと、また葉緑体型DNA ligaseが葉緑体核様体再構築の前に発現上昇し、この変異体では逆に葉緑体核様体の凝集が阻害されることを明らかにした。さらに数理シュミレーションにより、葉緑体DNAのsupercoil構造が、葉緑体核様体のmobility shiftと結びついていることを示すことに成功し、DNA supercoil制御を基盤とした葉緑体DNA遺伝機構についての仮説を低yそうするに至った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
DNA supercoilは、DNAのねじれによって形成される超らせん構造であり、これまでヌクレオソーム構造や遺伝子発現制御における重要性は示されてきたが、今回、葉緑体核様体のmobilityを細胞周期に応じて変化させることで、stochastic inheritanceを実現するという、全く新しい仮説に到達することができた。現在論文を準備中である。
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今後の研究の推進方策 |
必要なデータの収集をして、早急に論文としてまとめ、発表する。
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