研究課題/領域番号 |
21H02509
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44030:植物分子および生理科学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
平山 隆志 岡山大学, 資源植物科学研究所, 教授 (10228819)
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研究分担者 |
馬 建鋒 岡山大学, 資源植物科学研究所, 教授 (80260389)
横正 健剛 岡山大学, 資源植物科学研究所, 准教授 (50790622)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2021年度: 8,320千円 (直接経費: 6,400千円、間接経費: 1,920千円)
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キーワード | 鉄欠乏応答 / 短鎖ペプチド / FEP1/IMA3 / シロイヌナズナ / 鉄恒常性 / 遺伝学的解析 / 網羅的転写物解析 / alphascreen / ミトコンドリア / FEP1 |
研究開始時の研究の概要 |
植物は生育に必須の鉄を必要に応じて土壌から吸収し、過不足なく植物の各器官に配分することで鉄の恒常性維持を図っているが、鉄欠乏応答機構の全容は未解明である。我々は最近、個体レベルの鉄欠乏応答に関与すると考えられる短鎖ペプチド、FEP1を見出した。fep1機能欠損変異株では、根の鉄含有量は不変であるにもかかわらず、葉では鉄欠乏状態を呈しており、個体レベルの鉄恒常性が維持されていないことが示されている。本課題研究では、この分子機能未知のFEP1を研究の起点として植物の鉄欠乏応答機構の全容解明を目指す。
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研究実績の概要 |
昨年度行った、鉄欠乏を示すfep1-1変異株と、FEP1誘導発現株を用いたRNAseq解析から、FEP1が維管束系の組織で一部の鉄欠乏応答遺伝子の制御に関わると示唆された。そこで、R4年度は、FEP1と鉄輸送の関係を調査した。維管束で鉄分配に関わり地上部に鉄を蓄積するopt3変異株との遺伝学的解析、各種変異株での根における鉄蓄積状況の調査、FEP1タンパク質の組織局在調査を行った。その結果、fep1は、内皮を介した鉄の輸送が低下していることがわかった。しかし、FEP1遺伝子の発現は、内皮での発現は確認されていないが、そのタンパク質は少なくとも内鞘に存在することが認められ、FEP1が細胞間を移動し機能していると考えられた。以上の結果をまとめて論文発表を行った。FEP1および鉄欠乏応答に関わるBTSや転写因子のタンパク質を精製し、in vitroで相互作用の分析を試みた。報告にあるようなFEP1によるBTSと転写因子の相互作用阻害は確認できなかったので、条件をされに検討する必要がある。 ahg2変異株の鉄欠乏応答性を抑圧する変異株ags2とags3の解析を進めた。昨年度、ags2の原因遺伝子の同定に成功したが、今年度はags3の原因遺伝子を突き止めた。その結果、ags2と同じ変異であることがわかった。AGS2遺伝子は、ミトコンドリアに局在するRNA helicaseをコードしており、ags2変異は保存されているアミノ酸の置換を誘導するものであった。この変異では、いくつかのミトコンドリアmRNAのpoly(A)鎖がついたままであり、何故表現型が抑圧されるのか興味深い。そこで、ミトコンドリアmRNAの構造について情報を得るためRNAseqを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの成果で論文を発表することができた。また、変異株の原因遺伝子の同定も完了し、次の研究段階に進むことができている。一方で、in vitroでの相互作用実験は、タンパク質の発現効率が悪かったりするなど、条件設定に苦労しており、まだ確固たるデータの取得には至っていない。今後さらに検討が必要である。
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今後の研究の推進方策 |
in vitroでの相互作用実験の条件設定をさらに進める。効率的なタンパク質発現とその精製のため、haloタグの利用を試みる。haloタグは、タンパク質の精製が容易で効率も良いため、相互作用実験に適した試料が用意できると期待できる。 AGS2の生化学的解析を行う。RNA helicase活性の確認、酵母を用いたタンパク質相互作用実験、ミトコンドリア局在の確認実験などを行う。また、ags2遺伝子破壊変異は致死性を示すが、この変異がahg2の表現型を抑圧するかなどの遺伝学的実験も行う。 ags2のRNAseqデータ解析から、ags2がRNA編集に影響していることが伺われた。そこで、poly(A)状態とRNA編集の関係について、調査する予定である。
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