研究課題/領域番号 |
21H02523
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44040:形態および構造関連
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研究機関 | 生理学研究所 |
研究代表者 |
古瀬 幹夫 生理学研究所, 生体機能調節研究領域, 教授 (90281089)
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研究分担者 |
菅原 太一 熊本大学, 大学院先導機構, 助教 (30758412)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2021年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
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キーワード | タイトジャンクション / 上皮細胞 / クローディン / 上皮バリア機能 / 電子顕微鏡 / ZO-1 / 微細形態 |
研究開始時の研究の概要 |
タイトジャンクション(TJ)は、細胞同士の隙間を塞ぐことにより上皮バリア機能に寄与する細胞間結合である。本研究では、TJの機能制御に直結する特徴的な形態である1)局所的に形成されるTJのベルト構造、2)細胞あたりのTJの量の多様性、3)細胞あたりのTJの総延長の多様性を生み出すメカニズムを分子レベルで明らかにする。
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研究実績の概要 |
タイトジャンクション(TJ)をもたないクローディン欠失MDCK細胞に、クローディンの各サブタイプを発現させてTJを再構成させ、その形態、バリア機能を解析した。クローディン欠失MDCK細胞を樹立する際にゲノム編集により破壊した5つのクローディンは、そのすべてが単独でバリアとして機能的なTJを形成できる一方、MDCK細胞に内在性に発現するクローディン12、16はTJを形成できないことが明らかになった。凍結割断法による解析からTJを再構成した5つのクローディンのうち、クローディン1,2,3は分岐のあるTJストランドを形成し、クローディン4は平行で交わりにくいTJストランドを形成した。次に、チャネル型クローディンであるクローディン2、10a, 10b, 15をそれぞれ単独でクローディン欠失MDCK細胞に発現させたところ、いずれのクローディンも単独でTJを形成し、paracellular flux アッセイにおいて十分なバリア機能を示す一方、従来報告されていた陽イオン選択性(クローディン2, 10b, 15)、陰イオン選択性(クローディン10a)を示した。したがって、これらのチャネル型クローディンは、他のクローディンサブタイプと相互作用することなく単独でチャネルを形成していることが証明された。今後、異なる発現量、あるいは特定のクローディンのサブタイプの組み合わせにより再構成されたTJの形態と機能の解析にこの研究を発展させる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アンギュリン欠失細胞におけるTJ量の増強については追加実験により論文化がやや遅れているものの、TJの蛇行する形態形成機構の一端について共同研究により明らかにできた。
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今後の研究の推進方策 |
アンギュリン欠失細胞におけるTJ量の増強についてデータを集めてR5年度前半に論文投稿する。TJの蛇行形態の形成機構を器官レベルで解析する。
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