研究課題/領域番号 |
21H02526
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44050:動物生理化学、生理学および行動学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小野 大輔 名古屋大学, 環境医学研究所, 講師 (30634224)
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研究分担者 |
中村 孝博 明治大学, 農学部, 専任教授 (00581985)
山口 裕嗣 名古屋大学, 環境医学研究所, 特任助教 (10542970)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2022年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
2021年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
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キーワード | 概日リズム / 神経回路 / 視床下部 / 視交叉上核 / 休眠 / 代謝 / 睡眠・覚醒 / 体温調節 / 光操作 / 体温 / 日内休眠 / 光計測 / イメージング |
研究開始時の研究の概要 |
哺乳類における概日時計の中枢は、視床下部に位置する「視交叉上核」に存在し、時計遺伝子群の転写・翻訳を介したフィードバックループにより24時間のリズムが生成される。そのリズムは外界の明暗環境に同調し、最終的に睡眠・覚醒や体温リズムなど様々な生理機能の時間的調節を行う。これまで研究から、現象的に概日時計がこれらの生理機能を調節している事が示されてきたが、実際どの神経回路がどの生理機能の時間調節に関与するのかは不明であった。本研究では、光遺伝学、光イメージング、神経トレーシング、ゲノム編集など様々な最新の技術を組み合わせ、概日時計による体温調節メカニズムを神経回路レベルで明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究ではマウスを用い、概日時計による体温調節メカニズムを神経回路レベルで明らかにする事を目的とした。マウスを低温環境下で24時間の絶食を行うと体温が30度以下に低下する事、そしてその低体温状態は概日時計による調節を受ける事を明らかにした。さらに、光遺伝学や光イメージング技術を用い、概日時計中枢である視交叉上核からの出力経路のうち、低体温状態の誘導に関連する回路とそれに関連する分子についても明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
冬眠や休眠は、動物が厳しい環境を生き抜くために代謝を能動的に低下させるシステムである。この分子・神経メカニズムの解明には、多くの医学的および社会的意義がある。例えば、低酸素症や心停止後の治療、臓器移植時の臓器保存など、救急医療の発展に繋がる。特に、心臓手術や脳外科手術中の低体温療法の改善により、患者の予後が大幅に向上する可能性がある。また、長期間の宇宙旅行における宇宙飛行士の健康維持や、災害時の生命維持技術の開発にも役立つ可能性がある。さらに、代謝をコントロールする技術により、老化の遅延や生活習慣病の予防にも貢献する。本研究成果は、医学的進歩と社会的福祉の向上に大きく寄与するものである
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