研究課題/領域番号 |
21H02543
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45020:進化生物学関連
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研究機関 | 名古屋大学 (2022-2023) 国立研究開発法人理化学研究所 (2021) |
研究代表者 |
隅山 健太 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (00370114)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2022年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2021年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | エンハンサー / 進化 / Dlx遺伝子 / パラログ遺伝子 / 発現制御進化 / ゲノム編集 / 発生進化 / cis-element / Dlx遺伝子群 / subfunctionalization / evolution / cis-regulatory elements / distal enhancer / genome-editing |
研究開始時の研究の概要 |
本研究計画では、パラログ遺伝子サブ機能の性質をシス因子から明らかにするため、共通祖先型からパラログへの機能分割進化がどのように可能となったのか、エンハンサーサブ機能が独立機能単位としてゲノム中で機能統合や分割が可能であるのかの実験的検証を目的とする。ゲノム編集ツールによるマウス遺伝子工学を用いて、スーパーエンハンサーモデルから推定した機能領域を改変することでパラログ間でサブ機能シス因子を移植する実験を行い、パラログ間でのサブ機能の移転が実現可能であるか、形態発生等の形質が制御可能であるかを検証する。これによりシス調節因子駆動型の形態発生進化のメカニズムを理解することを目指す。
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研究実績の概要 |
2022年度はDlx3-4遺伝子クラスターおよびDlx5-6遺伝子クラスターの構造の類似性に注目し、CTCFによる長距離ゲノム領域間でのループ形成などによって物理的にプロモーターと近くなる領域のクラスター間での構造的類似性および鰓弓でのエンハンサー活性の強さから、Dlx3-4遺伝子クラスターではTAD3鰓弓エンハンサー、Dlx5-6遺伝子クラスターでは新規の鰓弓のエンハンサーをそれぞれターゲットとして選定し、エンハンサーノックアウトマウスをCRISPR/Cas9で作製し系統化した。このマウスを用いて、正確にエンハンサー欠失の発現量変化を定量できるAccu-cis法を用いてRNA-seq結果から鰓弓発現に及ぼすその影響を評価した。Dlx56鰓弓エンハンサー欠失マウスでは下顎が上顎化する顕著な表現型が観察された。このマウスの表現型をパラログ活性化でレスキューすることが可能かどうかを確認するため、Dlx56鰓弓エンハンサーをDlx3-4遺伝子クラスターにノックインしたマウスを作成し、交配によりその解析を進めているところである。また、Dlx3-4遺伝子の鋤鼻器エンハンサーをクラスターとして欠失することで効率よく鋤鼻器組織特異的なノックダウンを実現できることが示され、新たな条件付きノックアウトマウス作成の方法論へとつながる成果となった。特に、通常ノックアウトで致死的な表現型を示す遺伝子の場合に、この方法により致死性を回避しつつ特定器官での遺伝子機能解析が可能になる新たな実験系として期待し検証を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験に必要な各種エンハンサー欠失マウスは順調に準備が進んでいる。Accu-cis法のために必要な人工的にDlx遺伝子コード領域にSNPを導入したマウスの準備もDlx34に加え新たにDlx56でクラスターで完了しており、現在順次エンハンサー欠失マウスの発現量変化の定量測定を進めているところである。エンハンサー欠失により、効果的に条件付き遺伝子ノックアウト状態を作出できることを示すことができた。さらにエンハンサーノックインマウスの樹立に成功し、その解析を進めている。以上計画に沿って順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
効率を高めるためさらに迅速なノックアウトマウス作製・表現型評価方法の開発を進める必要がある。また今回のDlx56pエンハンサー欠損マウスで影響が出る細胞群以外のDlx5-6発現細胞の混入が定量解析の問題となることから、鰓弓組織のバルク解析だけでなく1細胞解析手法を取り入れるなどして特定細胞群で起きている顕著な変化を的確に捉える工夫を行いたい。エンハンサー機能の検証のため、交配によりエンハンサー欠失マウスをパラログ遺伝子活性化によりレスキューできるかを確認する実験を進めている。これまでにDlx5-6遺伝子クラスターでの鰓弓発現に最も大きな影響を与えるエンハンサーを特定できたことで、その配列モチーフ解析により上流因子候補の推定ができたので、今後その解析実験を進めていく予定である。
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