研究課題/領域番号 |
21H02591
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46020:神経形態学関連
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 (2023) 京都府立医科大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
野村 真 京都工芸繊維大学, 応用生物学系, 教授 (10323007)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
15,210千円 (直接経費: 11,700千円、間接経費: 3,510千円)
2023年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2021年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
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キーワード | 大脳皮質 / 哺乳類 / 興奮性神経細胞 / 羊膜類 / 神経回路 / 進化 / 神経細胞サブタイプ / 神経投射 / 空間的遺伝子発現 / 脳梁 / Satb2 |
研究開始時の研究の概要 |
大脳皮質の6層を構成する神経細胞は、特異的な遺伝子発現による神経回路網を形成することで哺乳類の高次神経機能発現に寄与している。しかしながら層特異的な神経細胞の起源は未だ大きな謎に包まれている。そこで本研究では、哺乳類との共通祖先から進化した爬虫類の背側皮質に着目し、神経軸索標識と空間的トランスクリプトーム解析によって爬虫類の皮質神経細胞サブタイプの詳細なプロファイリングを行う。さらに遺伝子の機能操作実験を行い、背側皮質神経細胞の形態と軸索投射、遺伝子発現の変化を解析する。こうした解析によって、大脳皮質の神経細胞サブタイプの起源と進化過程を明らかにすることが本研究の目標である。
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研究成果の概要 |
今回の研究成果により、哺乳類大脳皮質を構成する興奮性神経細胞の発生と神経回路形成メカニズムが羊膜類において普遍的に存在していることが確認された。特に、有胎盤類にしか存在しない脳梁の発生プロセスが、脳梁が形成されない爬虫類や鳥類にも備わっていること、Satb2が神経細胞の分化や軸索伸長だけでなく、半球間の融合というダイナミックな組織形成にも関与していることを見出した。こうした成果より、哺乳類大脳皮質を構成する興奮性神経細胞の萌芽的発生プログラムは羊膜類の共通祖先ですでに獲得いたこと、こうした祖先的発生プログラムが土台となって、哺乳類独自の皮質構造や神経回路が形成されていったことが推測された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大脳皮質の機能発現に重要な役割を果たす層特異的神経回路が進化の過程で一体いつ出現し、どのような過程を経て現在の哺乳類の皮質投射パターンが完成したのか、その過程にどのような遺伝子の機能が関与していたのか、という問題は、19世紀以降の神経解剖学分野の大きな謎として残されていた。今回の研究成果により、大脳皮質の解剖学的特徴に寄与する発生プログラムの起源と進化に関する興味深い知見を得ることができた。この成果は現在の神経科学の大きなテーマの1つである「ヒトの脳の進化起源」の理解に大きく貢献することが期待される。さらに、脳梁欠損などのヒト先天性疾患の病態理解や早期診断にも重要な知見を提供するものである。
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