研究課題/領域番号 |
21H02594
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46030:神経機能学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
柳下 祥 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 講師 (50721940)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2022年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2021年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
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キーワード | 前頭葉前野 / スパイン / ノルアドレナリン / ミクログリア / 観察性脅威学習 / 前頭葉 / 可塑性 / スパイン形態可塑性 / ケイジドグルタミン酸 / PFC |
研究開始時の研究の概要 |
前頭葉スパイン・シナプス可塑性をミクログリアが制御する機序を解明するために、新規にミクログリア解析系を立ち上げ、これら細胞現象を統合的に理解する機序探索を行う。さらに、このような細胞機序が具体的にどのような学習行動を制御するのかを明らかにする。これにより前頭葉という脳高次機能を制御する細胞基盤の一端を明らかにする。
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研究成果の概要 |
グルタミン酸の2光子アンケージングによるスパイクタイミング依存的可塑性(STDP)プロトコルを用いて、マウスの内側前頭葉皮質(mPFC)の急性スライス標本第5層錐体ニューロンの単一スパインにおける可塑性のシグナル伝達経路を調査した。結果、ノルアドレナリンがスパイン可塑性を増強するが、これにはミクログリアによる抑制機序のβ2受容体を介した脱抑制を介していることを新規に同定した。さらにこれらシグナルが制御する学習行動として観察性恐怖学習を同定した。以上より、前頭葉のシナプス可塑性を制御する機序と制御する行動について明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
前頭葉を含む新皮質のスパインの形態可塑性はin vivo研究で多く報告されてきた。しかし、実際にどのようなシグナル路を介してこの可塑性が生じているのかは不明であった。本研究によりこのシグナルを明らかにしたことの学術的な意義は高い。また、意外にもこのシグナル路にはミクログリアを介した細胞間コミュニケーションが関与していた。ミクログリアは多くの精神神経疾患に関与することが知られており、今後疾患における役割も明らかになる可能性が高い。
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