研究課題/領域番号 |
21H02599
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46030:神経機能学関連
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
小早川 令子 関西医科大学, 医学部, 教授 (40372411)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2022年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2021年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | 先天的恐怖 / 生命保護 / 先天的恐怖情動 / 生命保護作用 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトや動物は危機状態で生命を守る保護能力を進化させた。しかし、それら能力を人為的に誘導する医療技術は未開発であった。私たちは、先天的恐怖情動を誘導する匂い分子刺激により脳幹-中脳に存在する危機応答中枢が活性化されることで潜在的な生命保護作用が誘導される現象を発見した。本研究ではこの現象を詳細に解明し、匂い分子刺激により潜在的な生命保護作用を誘導する新たな創薬概念である感覚創薬の実用化を進める。
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研究成果の概要 |
生得的恐怖は危機における生命維持に密接に関係しているが、この関係は完全には解明されていない。今回我々は、先的恐怖臭(TFO)の提示により、強固な全身性低体温・低代謝が誘導され、ピルビン酸デヒドロゲナーゼのリン酸化を介して好気性代謝が抑制されることで、致死的低酸素環境下での長期生存が可能になることを解明した。これらの反応は、皮膚および脳虚血/再灌流障害モデルにおいて強力な治療効果を発揮した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
冬眠とは対照的に、TFO刺激は脳内のグルコース取り込みを促進し、血液中の酸素飽和度を抑制した。全脳マッピングと化学遺伝学的活性化により、TFOの感覚表現が脳幹Sp5/NSTから中脳PBN経路を介して生理的反応を制御していることが明らかになった。TFOは、先天的恐怖の超正常刺激として、マウスに強力な潜在的な生命保護作用を誘導することから新たな治療法のシーズとなる可能性がある。
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