研究課題/領域番号 |
21H02605
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
赤井 周司 大阪大学, 大学院薬学研究科, 教授 (60192457)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2022年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2021年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
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キーワード | 触媒的不斉合成 / リパーゼ / 遷移金属触媒 / 動的速度論的光学分割 / 軸不斉ビアリール化合物 / バナジウム / プロパルギルアルコール / 遷移金属 / 環境低負荷 / 光学分割 / 不斉合成 / クロスカップリング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、医農薬の開発研究に不可欠な、光学活性(キラル)な有機化合物の実践的な合成法を開発する。本法は、入手容易な加水分解酵素リパーゼと,地殻に豊富に存在する遷移金属を同時に利用することが特徴である。常温常圧で極めて高い選択性と触媒効率を示す酵素と、多彩な機能を創出できる人工の金属触媒という異質な領域の融合によって、安全で、簡便・高効率的な物質変換を可能にする。これは、持続可能な社会構築に資する、 環境にやさしい「次世代型ものづくり化学」の基盤構築を推進する研究である。
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研究実績の概要 |
酵素は常温常圧で極めて高い化学・立体選択性,触媒回転率を示し,発酵で自然から生まれ,分解されて自然に帰るため,環境低負荷で再生可能な触媒として期待が高い。しかし,有機合成への利用は限定的であった。そこで我々は,近年発展著しい遷移金属と酵素を同時利用して,両者の利点を生かした新しい変換や,単独の触媒では成しえない難易度の高い変換の開拓を目指して研究を行ってきた。本課題研究では,これまでの成果を更に発展させ、医農薬として重要な光学的に純粋な低分子化合物の、持続可能な(枯渇しない)環境低負荷の触媒的不斉合成法の開発を目的とする。本年度は以下の成果を得た。 1.多様な天然リパーゼがラセミ体第2級アルコールの速度論的光学分割に汎用されている。ところが、これらのリパーゼは全て(R)-アルコールと選択的に反応するため,リパーゼを用いる動的速度論的光学分割(DKR)では,(R)-エナンチオマーしか得られないという問題があった。我々は、エチニル末端炭素にシリル基を結合させたプロパルギルアルコールを用いて天然リパーゼによるDKRを行い、その後、シリル基を除去することでS-エナンチオマーを高収率かつ高光学純度で生成する方法を開発した。着脱容易なシリル基の有無によって、プロパルギルアルコールの両方のエナンチオマーを高い光学純度で作り分けることが可能となった。 2.ある種の軸不斉ビアリール化合物は、不斉軸周りの回転障壁が小さく、室温では自由に回転できる。これにリパーゼ触媒によるエナンチオ選択的なアシル化を行うと、生成物では不斉軸周りの回転障壁が大きくなり、光学活性体として高収率で得られることを見出した。現在、各種軸不斉ビアリール化合物について、計算による回転障壁の見積もりを基に、この新しいコンセプトによる軸不斉ビアリール化合物のワンポット不斉構築の基質適用拡張を検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究途中で新しいコンセプトによる軸不斉ビアリール化合物のワンポット不斉構築法を見出したので、本年度は、このテーマに注力して研究を進めた。その他の計画もおおむね順調に進行している。
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今後の研究の推進方策 |
本年度見出した新しいコンセプトによる軸不斉ビアリール化合物の不斉構築法を更に展開する。その他に、第3級アルコールの動的速度論的光学分割、不斉中心を2つ有するアルコールの動的速度論的光学分割などを検討する。
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