研究課題/領域番号 |
21H02607
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
大嶋 孝志 九州大学, 薬学研究院, 教授 (10313123)
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研究分担者 |
矢崎 亮 九州大学, 薬学研究院, 助教 (70635812)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2021年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
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キーワード | 非天然アミノ酸 / α,β-連続四置換炭素 / 中分子ペプチド / N-無保護ケチミン / ラジカルクロスカップリング / 連続四置換型非天然アミノ酸 / PPI阻害剤 / 不斉記憶型 |
研究開始時の研究の概要 |
蛋白質間相互作用の阻害剤が新たな創薬ターゲットとして注目され、主に抗体の利用が検討されているが、膜透過性などに問題がある。本研究では、極度の立体効果を有するα,β-連続四置換型非天然アミノ酸の効率的かつ網羅的な合成法を開発する。また、合成した非天然アミノ酸の極度の立体障害に打ち勝つペプチドカップリング法を確立し、α,β-連続四置換型非天然アミノ酸含有ペプチドのライブラリーを構築することで、膜透過性に優れ、広いPPI接触面をカバーできる十分な大きさを持つα,β-連続四置換型非天然アミノ酸含有ペプチドを創薬ニューモダリティーとして開発し、中分子PPI阻害剤への道を切り開く。
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研究成果の概要 |
3年間にわたる研究では、α,β-連続四置換型非天然アミノ酸含有ペプチドを用いた新規中分子創薬のための効率的かつ網羅的な合成法を開発した。令和3年度は、アミノ酸Schiff塩基のtert-ラジカルクロスカップリングとN-無保護ケチミンの分子内環化反応を検討し、多様な非天然アミノ酸の合成に成功した。令和4年度は、アルキルラジカルや求核剤を用いた新たな導入反応を開発し、中分子ペプチドの生物活性向上に成功した。令和5年度は、不斉触媒反応の最適化や機能性ペプチドの合成に成功し、生物活性および膜透過性の向上を実現した。また、複数の非天然アミノ酸導入により、脂溶性や体内動態が改善することも見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、α,β-連続四置換型非天然アミノ酸含有ペプチドを用いた新規中分子創薬のための効率的かつ網羅的な合成法の開発を通じて、化学および創薬研究の分野において学術的および社会的に重要な意義を持つ。学術的には、多様な非天然アミノ酸の合成法の開発により、非天然アミノ酸の化学合成の手法を大幅に拡張し、これまで合成困難であった種々のアミノ酸の合成に初めて成功した。また、それらのアミノ酸を組み込むことで、中分子ペプチドの生物活性や膜透過性の向上を実現し、新たな機能性分子の設計指針を提供した。社会的には、これらの研究成果は新規医薬品の創出に寄与し、医療の発展や疾病治療の革新に貢献することが期待される。
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