研究課題/領域番号 |
21H02609
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
浅井 章良 静岡県立大学, 薬学研究院, 教授 (60381737)
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研究分担者 |
小郷 尚久 静岡県立大学, 薬学研究院, 講師 (20501307)
村岡 大輔 愛知県がんセンター(研究所), 腫瘍免疫制御TR分野, ユニット長 (20608955)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2022年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2021年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
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キーワード | がん免疫療法 / 免疫チェックポイント / スクリーニング / ドラッグデザイン / ドッキングシミュレーション / ハイブリッド化合物 / PD-L1 / 併用効果 |
研究開始時の研究の概要 |
免疫チェックポイント分子を標的としたがん治療法は、これまでに幅広いがん種でその有効性が実証されてきた。しかしその効果は一部の患者集団に限定されており依然として未充足ニーズが存在していため、併用療法をベースとした複合がん免疫療法の開発に期待がかかっている。本研究課題では、低分子をベースとした複合がん免疫療法のための堅牢な創薬基盤を築くことを目的として以下の研究を計画している。1)フローサイトメトリー法による免疫チェックポイント分子結合アッセイパネルの確立、2)複合的機能を有する新規PD-L1阻害化合物のインシリコデザインと創製、3)細胞およびマウスモデルにおける化合物評価と免疫学的解析。
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研究成果の概要 |
本研究では、低分子をベースとした複合がん免疫療法のための堅牢な創薬基盤を築くことを目的としている。新たな免疫チェックポイント阻害化合物同定のための結合アッセイパネルを構築しバーチャルスクリーニングとの組合せによって、PD-L1、LAG-3などを阻害するヒット化合物を発見した。またPD-L1リガンドと細胞障害性化合物とのハイブリッド化合物をデザインし、PD-L1高発現がん細胞株に対して強い細胞増殖阻害活性を示す新規化合物を創製した。さらに研究代表者らが創製したSTAT3二量化阻害薬YHO-1701による抗腫瘍免疫誘導作用と抗腫瘍効果を検証し、さらに抗PD-1抗体との優れた併用効果を明らかとした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年がん免疫療法が臨床で用いられ幅広いがん種でその有効性が実証されているが、現状ではこれら免疫療法におけるモダリティは、抗体や遺伝子改変T細胞などに偏っている。また、単剤での効果には限界があり様々な組み合わせによる併用試験が臨床で試されている。よって今後は経口投与可能で安価に製造でき、かつ複数の標的に作用するハイブリッド化合物の開発に期待がかかる。本研究では独自のアッセイパネル構築とスクリーニング、さらにSTAT3阻害薬の他剤との併用効果や複合的機能を有する新規化合物のデザインと有用性を検証した。これらの成果は、低分子をベースにした新たな複合がん免療法の開発のための創薬基盤としての意義をもつ。
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