研究課題/領域番号 |
21H02619
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47020:薬系分析および物理化学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
今井 駿輔 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 上級研究員 (20894413)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2022年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2021年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | GPCR / 溶液NMR / シグナル選択性 / Gタンパク質共役型受容体 / 溶液NMR法 / バイアスリガンド / NMR / 動的構造 |
研究開始時の研究の概要 |
Gタンパク質共役型受容体GPCRは、細胞内の複数のシグナル経路を通じて様々な生理応答を制御する膜タンパク質である。したがって、細胞内シグナルの調節機構を理解しこれを制御する薬剤を開発するためには、GPCRの動作機構を解明することが必要である。本申請では、GPCRが多様な細胞内シグナルのバランスを調節する機構を解明し制御することを目的として、細胞内シグナル経路の活性化度が偏重するリガンド(バイアスリガンド)の作用発現の構造基盤を解析する。
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研究成果の概要 |
本研究では、b2ARの動的構造をバランスリガンド結合状態とバイアスリガンド結合状態で比較することにより、GPCRのシグナル選択性の構造基盤の解明に取り組んだ。バランスリガンドisoproterenolと、バイアスリガンドisoetharineについてNMR解析を行った結果、isoetharineのエチル基とb2ARの細胞外側ループ上の残基F193の立体的な衝突が、TM3細胞内側のA134, TM5細胞内側のA226周辺の構造変化を誘起することが示された。以上の成果から、バイアスリガンド結合時に観測されるこのTM3, TM5細胞内側の構造変化がシグナル選択性の構造的要因であることを提唱した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
GPCRのシグナル選択性は、薬の主作用と副作用のバランスを規定する可能性があるため、その機構の理解と制御は副作用を抑えたGPCR薬の開発において重要な課題である。本研究では、isoproterenolにエチル基が付加したisoetahrineが、なぜisoproterenolにはないシグナル選択性を示すのかを解析し、その違いがTM3やTM5の細胞内側の残基周辺の構造変化を誘起することを示した。この成果は、この領域の構造変化に着目することで既知化合物より強いシグナル選択性を示す新規バイアスリガンドを開発できる可能性を示した点において学術的および社会的意義を有する。
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