研究課題/領域番号 |
21H02628
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
中澤 敬信 東京農業大学, 生命科学部, 教授 (00447335)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2022年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2021年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | iPS細胞 / 自閉スペクトラム症 / 脳オルガノイド / 神経細胞の発達 |
研究開始時の研究の概要 |
自閉症の病態の分子メカニズムはほとんど不明であり、多数の患者を説明できる明確な分子病因は同定されていないうえ、中核症状に対する治療薬は存在しません。本研究では、これまで開発してきたiPS細胞分化技術を応用して、実際の患者脳に近い3次元脳オルガノイド培養技術を開発し、自閉スペクトラム症(自閉症)の創薬に資する分子病態研究を推進します。本研究成果に基づき、分子病態に基づいた創薬研究のための基礎データや分子メカニズムに応じたテーラーメード医療の開発に貢献するデータを提供します。
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研究実績の概要 |
自閉スペクトラム症の分子病態を理解するためには、より実際の患者脳に近い系で病態を解析することによりヒト(患者)細胞レベルの解析の妥当性を高め、マウス個体レベル・ヒト病態レベルの解析に有用なものにしていくことが必要であると考えています。本研究では、疾患との関連性が高いことが期待される遺伝子変異の表現型を、細胞レベルの解析のみならず、患者iPS細胞由来3次元脳オルガノイド等を用いて明らかにし、その妥当性をこれまでに開発してきた疾患モデルマウスや大規模患者リソースで評価する計画です。本年度は、3次元脳オルガノイドの特定の脳領域への分化を実施するために、POGZ変異による脳機能異常の領域特異性を調べました。特に、これまでの研究結果から、前帯状皮質領域に注目しました。その結果、野生型マウスの前帯状皮質において、社会行動の際に活性化する神経細胞の活動をDREADDシステムを用いて抑制したところ、社会行動が大きく低下することが明らかになりました。次に、社会行動の際に活性化する前帯状皮質の神経細胞の投射パターンを調べました。その結果、野生型マウスにおいては、扁桃体、視床下部、線条体などへの投射が確認されたが、POGZ変異マウスでは、扁桃体への投射がほとんど見られないなどの異常が観察されました。これらの結果は、POGZ変異マウスでは、前帯状皮質が形成する神経回路網の発達異常、もしくは機能異常があることを示唆しており、脳オルガノイドを用いたPOGZ遺伝子座の変異に起因する神経発達異常の分子病態研究において、前帯状皮質に注目することの重要性が示唆されました。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
POGZ変異を持つ患者由来の脳オルガノイドの分化実験のための基礎データを蓄積することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
自閉スペクトラム症と関連する遺伝子変異の表現型をiPS細胞由来脳オルガノイドを中心として、妥当性の高い疾患モデルマウスも用いてさらに解析し、自閉スペクトラム症の明確な分子病態を明らかにしていく計画である。
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