研究課題/領域番号 |
21H02631
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
中村 浩之 千葉大学, 大学院薬学研究院, 教授 (20447311)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2022年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2021年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | ニーマン・ピック病C型 / セラミド代謝酵素 / セラミド代謝 |
研究開始時の研究の概要 |
ニーマン・ピック病C型 (NPC) は細胞内に遊離コレステロール及びスフィンゴ糖脂質が蓄積し、中枢神経系障害を呈する遺伝病である。本研究ではこれまでに、NPCでは脂質セラミドの代謝異常により、スフィンゴ脂質が細胞内に蓄積することを見出している。さらに、セラミド代謝酵素がNPCの創薬標的となる可能性を見出している。そこで本研究では、NPCにおいてセラミド代謝の異常が生じるメカニズム、セラミド代謝酵素とコレステロール蓄積およびNPC発症との関連性を解析し、NPCの病態発症機構を解明する。さらに、セラミド代謝酵素を標的としたNPCの革新的治療薬の創出を目指す。
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研究実績の概要 |
ニーマン・ピック病C型 (NPC) は中枢神経系障害および肝機能障害を主徴とする遺伝病であり、国の難病に指定されている。NPCの発症率は12万人に1人であり、多くの患者が幼少期に発症し、10歳前後で亡くなられる。NPCは細胞内コレステロール輸送を担う蛋白質 (NPC1またはNPC2) の欠損が原因で、細胞内にコレステ ロール及びスフィンゴ糖脂質が蓄積する。NPCの唯一の治療薬ミグルスタットはスフィンゴ糖脂質合成酵素の阻害薬であり、脳内のスフィンゴ糖脂質レベルを減少させ、神経脱落を抑制する。しかしながら、治療効果は限定的であり、より有効な治療戦略の開発が望まれている。本研究ではこれまでに、セラミド代謝酵素の阻害がNPCの治療につながることをNPC細胞やNPCマウスを用いた解析により見出している。そのため、本研究ではセラミド代謝酵素とNPC発症との関連性を解析し、NPCの病態発症機構を解明すること、また、セラミド代謝酵素を阻害する化合物の開発を試み、NPC治療薬を創出することを目指して研究を行っている。本年度は下記の研究成果を得た。 ・本研究ではこれまで、NPCにおける中枢神経系障害やグリア細胞活性化に対するセラミド代謝酵素の関与をマウスレベルで行ってきた。今年度は、グリア細胞(ミクログリアおよびアストロサイト)の培養細胞において、セラミド代謝酵素がグリア細胞の活性化に関与することを明らかにした。 ・NPCマウスのセラミド代謝酵素を阻害すると、肝機能障害が抑制されることが明らかになった。 ・セラミド代謝酵素を阻害する新規化合物を得ることに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マウスおよびヒトにおける病態解析、およびスクリーニングが計画通りに進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
本研究では、NPC患者由来iPS細胞を樹立し、神経細胞に分化させることに世界で初めて成功している。この患者由来神経細胞のセラミド代謝酵素を阻害するとコレステロール蓄積が軽減することも明らかになっている。さらに、NPC患者由来のiPS細胞を神経細胞に分化させる際、健常人に由来するiPS細胞に比べて分化しにくい (障害を受けやすい) ことを見出している。そこで、分化障害が生じるメカニズムを解析し、また 、セラミド代謝酵素の阻害が分化障害を改善するかどうかを検証する。 また、セラミド代謝酵素を阻害する新規化合物の構造最適化も行う。
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