研究課題/領域番号 |
21H02633
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
杉本 幸彦 熊本大学, 大学院生命科学研究部(薬), 教授 (80243038)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
|
キーワード | GPCR / 二量体 / カルボン酸 / バイアス型作動薬 / G蛋白質 / β-arrestin / イオン結合 / 多量体 / Gタンパク質 / 生理活性脂質 / 脂肪酸受容体 / 細胞内シグナル伝達 / 逆作動薬 / 脂肪酸多量体 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、これまでの予備知見とPG受容体の結晶構造を基に、リガンドの負電荷COOHと受容体の正電荷Arg間のイオン結合が、安定的結合と二量体化を引き起こし、これがG蛋白質非依存性のβ-arrestin活性化やヘテロ会合受容体を活性化することを示し、脂肪酸リガンドに保存された受容体活性化機構の理解をめざす。計画としては、EP4受容体、EP3受容体、FP受容体で、PGカルボン酸フリー/メチル体が受容体二量体化に効力差があることを示し、リガンド-受容体間塩橋形成の寄与を調べる。PG受容体による炎症をメチルリガンドが回避することを示し、バイアス型作動薬や持続性作動薬の創出などに貢献する。
|
研究成果の概要 |
プロスタグランジン(PG)受容体のβ-arrestin活性化やヘテロ活性化には、イオン結合による安定的結合と二量体化が必要であるとの仮説を立て、これを検証した。PG受容体EP4によるGs活性化は、カルボン酸メチル体やTM7のRQ変異体でも認められ、イオン結合なしでも遂行された。一方、β-arrestin活性化は、カルボン酸メチル体リガンドやRQ変異体では見られず、またRQ変異体では二量体化の効率も低下傾向を示した。その分子機構を探るため、カルボン酸フリー体とメチル体リガンドで、EP4受容体への会合・解離速度を調べたところ、メチル体は解離速度が著しく亢進していた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
プロスタグランジン(PG)をはじめとする酸化脂肪酸はGPCRを介して多彩な作用を発揮し、陣痛誘発剤や抗炎症薬の標的として注目されてきたが、同時に多様な細胞内シグナルを動かすため、受容体を標的とした医薬品は極めて少ない。本研究において、研究代表者は、これまで蓄積した成果と最新の結晶構造情報を駆使し、PGリガンドによる受容体シグナル活性化における構造活性相関を、イオン結合や二量体化、非G蛋白質シグナルの視点から再評価することで、特定シグナルの活性化に必要なリガンド構造とその作用機序の解明を目指しており、PG受容体を標的としたバイアス型作動薬の開発に寄与するものである。
|