研究課題/領域番号 |
21H02654
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48010:解剖学関連
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
小田 賢幸 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (20569090)
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研究分担者 |
柳澤 春明 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 講師 (70466803)
新森 英之 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (40311740)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2022年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2021年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | クライオ電子顕微鏡 / 繊毛 / ダイニン |
研究開始時の研究の概要 |
細胞内には数千種類以上もタンパク質が混在しており、これらの分子が適切な場所で働くことで、生命活動が維持されている。そのために細胞には、タンパク質を識別し、正しいコンパートメントに局在させる「分子ソート機構」が存在する。人体に於いて器官形成や免疫、感覚など重要な生理機能を担っている繊毛はこのような細胞内コンパートメントの好例であり、繊毛の機能維持には繊毛タンパク質を正確にソートすることが必要であると考えられる。本研究では、繊毛をターゲットとした分子ソート機構が働いていると考えられる2つの繊毛基部構造に注目し、繊毛タンパク質が正しく組み上げられ、正しい場所に運ばれる分子メカニズムを解明する。
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研究成果の概要 |
繊毛は、細胞シグナリングや運動に必要不可欠な細胞小器官である。繊毛の中心構造である軸糸は9本の周辺微小管と2本の中心対微小管から構成される所謂9+2構造を取るが、この複雑な構造を構築する分子メカニズムには不明な点が多い。本研究では中心対微小管の主要な突起の一つであるC2a構造の基部にある分子を特定し、その存在がC2a構造の構築に不可欠であることを示した。また抗生物質ピューロマイシンの新生タンパク質への取り込みを利用して、繊毛基部に存在する前駆体プールの存在を明らかにした。さらにチューブリンのカルボキシル基末端を遺伝子操作することで、中心対微小管の構築メカニズムの一端を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は繊毛を持つ緑藻クラミドモナスを用いて、繊毛の動きと構造に欠かせないタンパク質の働きを明らかにしました。繊毛は呼吸器や生殖系など人体の多くの部位で重要な役割を果たしており、この研究は病気の治療法の開発に貢献する可能性を秘めています。具体的には、抗生物質の特殊な性質を利用した新規分析法を用いて繊毛タンパク質の合成を追跡し、また遺伝子操作により繊毛の微細構造を解明する手法を開発しました。これらの成果は、繊毛異常が引き起こす病気の理解を深め、治療に向けた新たな道を開く基盤となります。
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