研究課題/領域番号 |
21H02672
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48030:薬理学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
上山 健彦 神戸大学, バイオシグナル総合研究センター, 教授 (80346254)
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研究分担者 |
坂口 博史 神戸大学, バイオシグナル総合研究センター, 研究員 (00515223)
足立 直子 神戸大学, バイオシグナル総合研究センター, 助教 (70604510)
中村 高志 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80724179)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
2021年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
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キーワード | 後天性難聴 / 活性酸素 / 後天性感音難聴 / 難聴 / NADPH oxidase |
研究開始時の研究の概要 |
tdTomato赤色蛍光を指標にNox3発現細胞を特定できるマウス(Nox3-CreKI;tdTomato+/+)を用い、内耳、特に蝸牛でのNox3発現細胞を明らかにする。加えて、両側 Nox3 アレルを Cre で置換した Nox3-CreKI/KI;tdTomato+/+は、Nox3-KOとなるので、このKOマウスを用いNox3由来のROSによる難聴発症機序(標的疾患: 加齢、騒音、薬剤性難聴)を解明する。申請者は、聴覚も【左右差】を呈することを発見しており、聴覚には潜在的に【左右差】が存在との概念を確立し、突発性難聴等の片側性聴覚疾患の発症基盤へのROSストレスの関与を証明する。
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研究実績の概要 |
1. 開発したNADPH oxidase 3 (Nox3) 発現細胞が赤色蛍光蛋白 tdTomato で標識される(Nox3-CreKI;tdTomato+/+)マウスを用い、Nox3が一次聴覚感受器官である蝸牛コルチ器に発現することを発見、Nox3発現細胞として、内・外有毛細胞とその周囲に存在し有毛細胞を機能・構造的に支える種々の支持細胞(内・外指節細胞、外柱細胞、クラウ ディウス細胞)を特定した。2.上記の蝸牛におけるNox3発現(tdTomato陽性)細胞数が、加齢、聴毒性で有名な抗癌剤であるシスプラチン投与や騒音負荷により上昇することを発見した。また、Nox3が発現誘導された外有毛細胞は、加齢・シスプラチン・騒音などの負荷の種類にかかわらず、アポトーシスに陥り、難聴の原因となることを明らかにした(内有毛細胞は外有毛細胞より脱落しにくい)。3.開発したNox3ノックアウトマウスを用いて、加齢性感音難聴、シスプラチン誘発感音難聴、騒音性感音難聴などの後天性感音難聴の主要病型のいずれにおいても、Nox3ノックアウトが聴覚温存に働くことを明らかにした。 上記の結果は、Nox3の蝸牛コルチ器(特に、外有毛細胞細胞)での発現抑制が、後天性感音難聴の治療法開発の標的になる事を強く示唆している。 4.現在、Nox3プロモーター活性をルシフェラーゼ発光によって測定できる安定細胞株を確立し、Nox3の発現を抑制する化合物のスクリーニングを開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
Nox3が、加齢性感音難聴・シスプラチン誘発感音難聴・騒音性感音難聴の後天性感音難聴の主要病型にいずれの発症にも寄与すること、その機序が上記3種の負荷に反応した蝸牛での Nox3の発現上昇であることを明らかにした。 後天性感音難聴の発症機序の少なくとも1つ(主要経路と考えている)が明らかに出来たので、今後は、Nox3の発現を制御する因子・環境・化合物・薬剤の発見を念頭に置き、後天性感音難聴の世界初の治療法開発を目標に研究を継続・発展させて行く。
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今後の研究の推進方策 |
今後の目標(方針・計画)は、Nox3の発現を制御する因子・環境・化合物・薬剤の発見を念頭に置き、後天性感音難聴の世界初の治療法開発を目標に研究を継続・発展させて行く。 その手法としては、我々が開発したルシフェラーゼ発光法によりNox3の発現能を測定できる安定細胞株を用いて、Nox3の発現を抑制する既存薬や化合物をスクリーニングする予定である。更に、Nox3の関与が疑われる(予測される)原因不明の聴覚疾患(突発性難聴など)でのNox3の関与を、モデルマウスを用いた基礎実験やヒトを対象にした臨床研究により、明らかにして行く予定である。
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