研究課題/領域番号 |
21H02699
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49010:病態医化学関連
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
古川 鋼一 中部大学, 生命健康科学部, 特定教授 (80211530)
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研究分担者 |
大海 雄介 中部大学, 生命健康科学部, 助教 (10584758)
古川 圭子 中部大学, 生命健康科学部, 教授 (50260732)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2022年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2021年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
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キーワード | 癌関連糖鎖 / 複合体 / ミクロドメイン / 細胞外小胞 / 脂質ラフト / シグナル / エクソソーム / 糖脂質 / 膜分子 / 資質ラフト |
研究開始時の研究の概要 |
癌関連糖脂質は診断・治療の標的となるが、細胞膜上の脂質ラフトに局在して細胞シグナルの制御と癌形質の決定に関わる。一方、細胞外分泌小胞(ECV)は直径40~150 nmの小胞で細胞間情報伝達を担うが、最近、癌細胞の微小環境制御や前転移ニッチ形成上の機能が注目されており、その生成・分泌における脂質ラフトの関与が示唆される。本研究では、癌細胞由来ECVの生成・分泌及び作用における細胞膜上とECV上の糖鎖複合体の関与と動的機能を解明し、糖鎖クラスターを標的にしたECV制御と病態制御への応用開発への基盤情報とする。
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研究成果の概要 |
癌関連糖脂質は細胞膜の脂質ラフトに局在しシグナルと癌形質を制御する。一方、細胞外小胞(EV)は、直径100 nm前後の小胞で、細胞間情報伝達を担い、癌細胞由来のEVは微小環境の制御や転移の促進に働く。癌細胞由来EVの生成・分泌及び作用における細胞膜とEV上の糖鎖複合体の役割を解析した。 両者のプロテオーム解析及び糖脂質の解析の結果、糖脂質の化学構成に著明な共通点が認められた。また、EMARS法により、各種糖脂質に集簇する膜分子のプロフィールが示された。特にメラノーマ特異的GD3/GD2の周囲にインテグリンの局在が示された。さらに、癌関連EVが標的細胞のシグナルと悪性形質を増強することが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
癌は人類の健康上の最大の共通課題となっている。通常の外科療法、化学療法、放射線治療に加えて、免疫治療の意義が実証され、期待が大きくなっている。その中で、癌特異的糖鎖抗原の癌診断と治療の標的としての意義に加えて、癌の悪性形質において果たす役割が明らかになりつつある。本研究で明らかになった、酸性糖脂質の細胞膜とEVにおけるシグナルと癌形質制御機能に関する新知見は、単なる癌マーカーの域を超えて、癌の悪性形質を増強する重要因子としての役割が理解されるとともに、癌の根本治療法の開発の上で貴重な視点を提供する点、意義は甚大である。
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