研究課題/領域番号 |
21H02700
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
鬼島 宏 弘前大学, 医学研究科, 教授 (90204859)
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研究分担者 |
吉澤 忠司 弘前大学, 医学研究科, 准教授 (70761071)
後藤 慎太郎 弘前大学, 医学研究科, 助教 (00826901)
山田 勝也 弘前大学, 医学研究科, 特任教授 (40241666)
袴田 健一 弘前大学, 医学研究科, 教授 (30271802)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
12,740千円 (直接経費: 9,800千円、間接経費: 2,940千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
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キーワード | 胆道癌 / 膵癌 / 高悪性度 / 癌微小環境 / 時計遺伝子 |
研究開始時の研究の概要 |
胆道癌・膵癌が高悪性度の腫瘍形質を示す微小環境特性は、早期浸潤病巣より腫瘍細胞の上皮間葉転換および特異的な簇出が生じ、線維化・脈管侵襲・神経浸潤を伴う顕著な浸潤性増殖と表現できる。我々は、概日リズムを形成する時計遺伝子(bHLH型転写因子)発現を基盤として、この癌微小環境特性が構築されていると考えている。本研究では、この作業仮説に基づき、① 癌細胞増殖に対する概日リズムの影響、② 癌細胞が選択的に取り込むL-グルコースを用いて高悪性度のグルコース代謝の特徴、③ 癌組織内の線維性間質の形成、④ 腫瘍血管新生の特性を分子生物学的および病理病態学的に解析する。
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研究実績の概要 |
胆道癌・膵癌が高悪性度の腫瘍形質を示す微小環境特性は、早期浸潤病巣より腫瘍細胞の上皮間葉転換および特異的な簇出 (budding) が生じ、線維化・脈管侵襲・神経浸潤を伴う顕著な浸潤性増殖と表現できる。これらの癌微小環境特性が構築されている機序を解明し、その結果に基づいて、胆膵癌の高悪性度形質を制御する分子機構を確立し、その特異的阻害剤の作製を通じて臨床応用への展開を探索する。 今年度は、以下の4点の解析により実績をえた:(1) 外科切除材料を用いた、癌細胞浸潤病巣における癌線維芽細胞・線維化の病理組織学的特徴、(2) 組織学的な癌浸潤様式とダイナミックCTによる臨床画像を比較し、癌関連線維芽細胞の分布と浸潤性発育との関連解析、(3) 組織学的な癌浸潤様式とFDG-PETを用いた臨床因子を比較し、癌悪性度の解析、(4) Eukaryotic initiation factor 2 signalingと癌組織の神経浸潤・リンパ管侵襲・静脈侵襲の関連解析。 さらに、昨年度の外科材料を用いた線維化の病理組織学的解析・三次元培養法を用いたリンパ管侵襲解析・癌細胞と間葉系細胞との共培養解析を統合することで、胆道癌・膵癌の高悪性度形質には、間質を伴う癌微小環境内での癌細胞の上皮間葉転換が重要であることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記「研究実績の概要」に記載した通り、4点の解析により実績をえることができ、それに関連した研究発表も行えたため。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の実績として、間質を伴う癌微小環境内での癌細胞の上皮間葉転換が、胆道癌・膵癌の高悪性度形質に重要であることが示唆された。最終年度となる次年度も、癌微小環境特性の機序解明をさらに進め、高悪性度形質を制御する分子機構の解析へとつなげたい。
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