研究課題/領域番号 |
21H02709
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
田原 聡子 筑波大学, 生存ダイナミクス研究センター, 講師 (20360589)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2022年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2021年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | アレルギー / 食物アレルギー / 好塩基球 / 肥満細胞 / Allergin-1 / IgE / アナフィラキシー / 食物アナフィラキシー / マスト細胞 / IgE抗体 / アラジンー1 / 抑制性免疫受容体 |
研究開始時の研究の概要 |
食物アナフィラキシーの発症には好塩基球の過剰な活性化が深く関与しており、Allergin-1抑制性免疫受容体は好塩基球の活性化を制御することで食物アナフィラキシーの発症を抑える。 このことから本申請課題では、食物アナフィラキシーの病態解明と予防法の開発を目的として、食物アナフィラキシーモデルにおける①Allergin-1リガンドの生理的機能、②Allergin-1リガンドによる食物アナフィラキシー発症予防効果の検証、③ヒト食物アナフィラキシーの病態における好塩基球上のAllergin-1を介した抑制機序について明らかにする。
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研究実績の概要 |
食物アレルギーは、食物抗原と抗原特異的IgE抗体の免疫複合体がマスト細胞からの脱顆粒を誘導することにより惹起される。しかし、小中高生の約0.5%が罹患する食物アナフィラキシーの発症機序の詳細は明らかではないことから、発症機序の解明と予防法の確立は重要な課題である。申請者は、食物アナフィラキシーの発症には好塩基球の過剰な活性化が深く関与しており、それがAllergin-1抑制性免疫受容体により制御される機序を明らかにした(Lin H. et al, Int Immunol, 32: 213, 2020)。この知見は、Allergin-1のリガンドが食物アナフィラキシーの予防における標的分子となりうる可能性を示唆する。本申請課題の研究目的は、食物アナフィラキシーモデルにおけるAllergin-1リガンドの生理的機能及びAllergin-1リガンドによる発症予防効果を明らかにすることである。 令和3年度までにAllergin-1リガンドリコンビナントタンパクを大量調整し、接触性過敏症モデルを検証し、Allergin-1 リガンドタンパクがAllergin-1依存的に接触過敏症の症状を抑えることを明らかにした。令和4年度ではIgE依存性の1型アレルギー応答におけるAllergin-1リガンドタンパクの治療効果について検証した。野生型およびAllergin-1遺伝子ノックアウトマウスをIgE抗体で耳介に皮内投与したのち、Allergin-1リガンドタンパクを皮内投与し、その後アレルゲン投与により耳介の腫脹を誘導した。その結果、Allergin-1リガンドタンパクはAllergin-1依存的に1型アレルギー症状を抑える結果を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
IgE依存性局所アナフィラキシーモデルにおいて、Allergin-1 リガンドタンパクを皮内投与することでAllergin-1依存的に耳介の腫脹が抑制された。さらに、リガンドノックアウトマウスを用いてAllergin-1リガンドの1型アレルギー応答における生理的役割を検証した結果、リガンドノックアウトマウスはAllergin-1ノックアウトマウスと同様に1型アレルギー症状が増悪する結果を得た。 また、バイオレイヤー干渉法によりヒト及びマウスAllergin-1リコンビナントタンパクがAllergin-1リガンドタンパクと マイクロモルレベルの親和性を持つことを明らかにした。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度では以下を検証する。 1、リガンド遺伝子欠損マウスを用いた食物アナフィラキシーモデルを検証する。 2、リガンドタンパク投与により食物アナフィラキシー予防効果を検証する。
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