研究課題/領域番号 |
21H02714
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
井上 正宏 京都大学, 医学研究科, 特定教授 (10342990)
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研究分担者 |
近藤 純平 大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (80624593)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2022年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2021年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
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キーワード | がん / 多様性 / 可塑性 / 増殖 / 薬剤耐性 / 抗がん剤耐性 / 細胞間コミュニケーション / Notchシグナル / 増殖運命 / がん幹細胞 / リアルタイムイメージング / 構造破壊 |
研究開始時の研究の概要 |
がん幹細胞が治療の対象として注目されているが、その可塑性については病態・分子基盤とも未だ明らかにされていない。本研究では、がんを再生臓器と捉え、がんの三次元構造破壊とその再生過程における幹細胞活性化シグナルを、時空間レベルで明らかにすることを目的とする。これまでに、NotchとWntシグナルが、ストレスによる細胞塊の幹細胞化に関与していることを見出したので、本研究では、それらシグナルの三次元的細胞間コミュニケーションの動態を明らかにする。さらに細胞アブレーションにより、構造破壊自体の幹細胞化への関与を明らかにする。
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研究成果の概要 |
一つのがんの中のがん細胞は、均一で安定した性質を持つのではなく、すぐに変わるいろいろな性質を持つ。患者がん組織からがん細胞を培養する方法が進歩し、そのような性質を試験管内で調べられるようになった。この研究では、大腸がんは単細胞と2-4細胞からなるクラスターでは違った性質を示し、その性質の差はNotchシグナルによって分子レベルでコントロールされていることを明らかにした。増殖しないがん細胞クラスターの亜集団は抗がん剤に耐性があり、特定の条件下では再増殖することができる。この耐性細胞を標的とした治療法を開発することが重要である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
この研究では、単細胞と少数の細胞からなるクラスターとでは異なる性質を示すことを明らかにした。これまで、転移の単位は単細胞と考えられてきたが、細胞集団としてがんから離れたクラスターが大きな役割を果たしていることが明らかになった。また、転移のみならず、治療後に残存するがん細胞がクラスターとして残る場合、同じようなことが起こっている可能性がある。試験管内でこのような現象を再現するモデルができたことは、転移の予防や抗がん剤治療の補助療法の開発につながる。
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