研究課題/領域番号 |
21H02721
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立がん研究センター |
研究代表者 |
山本 雄介 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, ユニット長 (60768117)
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研究分担者 |
横井 暁 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (30737135)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2022年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2021年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | 腫瘍内不均一性 / 1細胞RNA-seq / 患者由来細胞 / 患者由来がん細胞 / 単一細胞発現解析 / がん細胞 / 薬剤耐性 |
研究開始時の研究の概要 |
腫瘍研究領域では、樹立された細胞株を実験モデルとして使用することで、数多くの重要な病態生理が明らかにされてきた。しかし腫瘍を構成する個々の細胞の機能や寄与度の多様性・複雑性が明らかになるにつれ、単一の細胞株を使った研究だけでは腫瘍全体の理解には至らないというコンセンサスが得られつつある。従って、腫瘍細胞の不均一性により生じる機能的差異や集団内における役割を解析可能とするために、腫瘍組織から複数の細胞クローンを簡便に培養できる実験技術の開発が望まれている。本研究申請では、乳がんや卵巣がんなどの腫瘍組織から上皮細胞を単離し簡便に長期培養を可能とする『患者がん細胞ライブラリ』の構築を行う。
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研究成果の概要 |
単一細胞遺伝子発現解析によって、腫瘍組織を構成する様々な細胞の機能的差異や集団内における役割を明らかにした。非浸潤性乳管がんの臨床検体を用いた単一細胞遺伝子発現解析を行い、そのがん細胞ならびにがん微小環境に含まれている細胞の不均一性の解明やがん細胞と免疫細胞の相互作用の予測を行った。また、肺の炎症疾患であるCOPDを対象とした単一細胞遺伝子発現解析の結果から、喫煙によって誘導される炎症性の2型肺胞上皮細胞の出現を明らかにした。さらに公共データベースに公開されている肺組織の1細胞RNA-seqデータを統合して、喫煙が肺に含まれる約40種類の細胞に与える影響を評価した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
早期のがん組織ならびに炎症疾患に対して、1細胞RNA-seq解析を実施することで、これまでにない精度で疾患組織内に局在する細胞の特性を明らかにすることに成功した。また、それらの細胞の相互作用を明らかにすることができた。疾患の悪性化にそれらの細胞間相互作用が重要であると考えられた。それらを阻害することは新たな治療戦略になりうる。 また、公共データベースを利用することで、様々な組織の疾患のデータセットを取得することが可能になり、特定の細胞集団の1細胞データを選択して解析することが可能になった。
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