研究課題/領域番号 |
21H02725
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49040:寄生虫学関連
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
丸山 治彦 宮崎大学, 医学部, 教授 (90229625)
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研究分担者 |
菊地 泰生 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (20353659)
長安 英治 宮崎大学, 医学部, 准教授 (20524193)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
2021年度: 8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
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キーワード | 系統分類 / 寄生虫 / ゲノム情報 / 糞線虫 / マンソン孤虫 / ゲノム / 系統解析 / 線虫 / 条虫 |
研究開始時の研究の概要 |
寄生虫が共通して保有する多数の相同遺伝子を用いた、寄生虫の種内グループや種間関係のレベルでの、汎用性が高く信頼性の高い同定・系統解析法を確立する。最初に、概要ゲノムが存在するStrongyloides属線虫とSpirometra属条虫で全ゲノム情報を用いた精密な系統解析を実施する。次いで、門や綱、あるいはもっと高位の分類単位で共通して保有される相同遺伝子の中から、概要ゲノムで得られたのと同等の結果が得られる遺伝子の組み合わせを見出す。単一の属を超えて幅広い寄生虫に適用できる信頼性の高い同定・解析法の確立は、系統解析の質を一気に高め、寄生適応研究の基盤を形作る。
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研究成果の概要 |
本研究では、Caenorhabditis属線虫、Strongyloides属線虫、そしてSpirometra属条虫の精密な系統関係の決定をゲノムシーケンスにより確定させることを目的とした。Caenorhabditis属線虫ではリボソームDNAの塩基配列を用いた系統解析と97個のシングルコピー遺伝子を用いた系統解析の結果はよく一致し、Strongyloides属線虫でも大きく3つの亜種群をタンパク質コード配列により同定することができた。ただしSpirometra属条虫では解析対象数が十分でなく、Spirometra属全体と芽殖孤虫との関係も不明なままであった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
DNAシーケンサの発達により、現在では少量のサンプルから大量の塩基配列情報を比較的容易に得ることができる。これまで、配列情報に基づいた種の同定にはPCRベースでリボソームITS領域やミトコンドリアcox-1等の数百塩基対程度を用いていたが、未知配列を新種とすべきか亜種とすべきか、あるいは系統的位置づけを決めるには十分なデータ量ではなかった。われわれの研究では未だ後生動物全体に適用できる遺伝子セットを決定するに至っていないが、少なくとも線虫類においては一定数のシングルコピー遺伝子によって正確な系統的位置を決定できる見通しがついた。フィールド研究・希少種の研究に応用できるものと考えられる。
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